洋ラン学園
21世紀の洋ランの始め方・育て方・咲かせ方・楽しみ方・続け方・研究

幼稚園から病院・美術館まで
これまでのやり方でうまくいかない人に(趣味でない洋ラン園芸)
消費者の、消費者による、消費者のための栽培法
来年も咲きそうな大株入手、根を薄着の植え方と、雨任せの水やりと、暖か冬知らず
コチョウランは易しい、カトレヤ原種・大明石斛・バンダも咲く

はしがき
洋ランはきれいと思って育て始めても、大抵枯れてしまいます。
また枯れなくても、本の通りにやってもうまくいかず中々咲きません。
その理由は洋ランが故郷でどんな生活をしていて、それを他の植物と同じようにするとどんなに違っているかを考えると良く分かります。
簡単化して少し極端に言うと以下のようなのです。
まず、洋ランは殆ど地に生えるのでなく木に着生し根はむき出しなのを、植木鉢に植えるから根腐れして枯れてしまうのです。
また洋ランは暖かい亜熱帯産が大半なので、日本の冬は寒くて屋外では凍害、室内でも春の陽気でないと冷害で枯れてしまいます。
洋ランは木漏れ日を浴びて育っているため、直射日光では日焼けしてしまいます。
洋ランは雨季に生長するので、雨季に相当する春から秋までは、温度が低く水切れすると育たずに咲きません。14.8.28

だから自分のやり方が悪いのかと考えがちですがそうではありません。
趣味の園芸」の本やネットに書かれている方法は「趣味でない園芸」の人にはやりにくい方法と言えるでしょう。
洋ラン原種の自生状態からかけ離れているため難しいか、とても手間がかかるか、特殊な設備を前提としているからです。
また育てるのが上手な人の方法なので素人には簡単にはまねができないのです。
さらに、咲かない原因は世話の仕方でなく、単に買ってきた苗が、小さいか、植替えしていないため根腐れし始めているためであることが多いのです。
これまでの方法は「本来むき出しの根を鉢に植えるために根本的な難しさ」があるのです。
小さい苗を小さい鉢に植えるこれまでの方法」では、毎日水やりしないと水切れして生長不良になりやすく枯れやすく咲きにくいのです。

洋ラン学園では、故郷での生活に近い育て方をしています。苗に優しく、人に易しい方法を追求しています。科学的な研究に基づき、「洋ランは初めて」という人に確かめられている方法です。
洋ラン栽培の成否は「苗、植え方、冬の最低温度」でほぼ決まり、それに比べれば世話が上手かどうかは取るに足らないのです。
温室を使いません。高温期は屋外で冬は室内で育てる方法を基本に、周年室内の方法もあります。
定期植え替えや毎日の水やりは不要です。ラン鉢・素焼鉢・バーク・ミズゴケ・農薬・液体肥料は殆ど使いません。プラスチックポットと鹿沼土が基本で水やりは雨任せです。
園芸店で売られている大部分のグループの代表的な種類を数年にわたって育てて咲かせた「育児記録」や、初めての人が育てた「洋ラン学園分校・合格生のノート」が、写真と共に載せられています。
植替えや水やりなどの具体的なやり方は「レシピ」で詳しく説明しています。

シンビジウム・デンドロビウムから、コチョウラン、バンダ、カトレヤ原種までが、簡単な世話で枯れずに咲くようになります。
大きな苗を入手して洋ラン学園式の「根を薄着の植え方」で根腐れを防ぎ、雨任せで水切れしない水やり、夏以外は暖かくでぐんぐん生長させるのが基本です。
どこにでも載っていることは殆ど書きません。どこにもないことばかりです。

蘭の育ち方や咲き方は種類・置き場所・世話の仕方などにより異なり、ここで示すのは一例です。
一般向きでない夏の暑さに弱い山野草的な種類は、趣味家に任せて洋ラン学園では採り上げません。
結果を保証するものでないのは言うまでもないので、活用は自己責任でお願いします。(2013.12.31-2014.1.15)-2.18

絵 hisami.press


目次
はしがき
初めに-三大問題の解決法
 1 根腐れの原因と防ぎ方-根腐れは植え方で防ぐ
 2 洋ランが咲かない理由と咲かせ方-咲く可能性のある大きな苗・水切れさせずに旺盛に生長
 3 初めての洋ラン-冬なら鉢から抜いて広口のペットボトルに引越
まえがき(2013秋) 洋ラン学園の基本方針と内容・構成
1 洋ラン学園の咲かせるための苗と衣食住の四原則
2 このHPで育てて咲かせる種類 30グループ 園芸店で手に入りやすい種類なら何でも(クールオーキッドを除く)
3 6段階の育て方と咲かせ方 1初めての洋ラン(幼稚園)、2始め方(小学校)、3育て方(中学)、4咲かせ方(高校)、5続け方と難しい種類(大学)、6研究(大学院)
4 置き場所別の育て方と咲かせ方 屋外/屋内(高温)、屋外/屋内(低温)、周年室内(高温)、周年室内(低温) 周年屋外
5 洋ランの障害と対策-洋ラン病院-4段階の対策
6 洋ラン学園では、温室・ミズゴケ・バ-ク・蘭鉢・素焼鉢・液体肥料・農薬・吊り鉢を使いません(例外あり)、霧吹き・葉水はやりません
7 趣味の園芸と趣味でない園芸の違い、必須・薦め・参考例・べからず・優先順位
8 まとめ-洋ラン学園のやりかた十カ条
本文 洋ラン学園の具体的な方法・本HPの構成
1 段階別の育て方と咲かせ方
1 初めての洋ラン(洋ラン幼稚園)
2 洋ランの始め方(洋ラン小学校)
3 洋ランの育て方(洋ラン中学)
4 洋ランの咲かせ方(洋ラン高校)
5 洋ランの続け方・やや難しい種類(洋ラン大学)
6 研究(洋ラン大学院)
2 置き場所別の育て方と咲かせ方(本校・分校)
1 屋外/室内高温編(本校)の他に、
2 屋外/室内低温編(東京分校・家庭)、
3 周年室内高温編(大阪分校・職場)、
4 周年室内低温編(家庭)
5 周年屋外(家庭)
3 基本的な世話の仕方(洋ランレシピ) 
目次 2014.2.1 茶色は基本で確立済、黒字項目は2014年の重点目標、
洋ランの肥料、置き場所、資材など
6 洋ランの肥料 緩効性化成肥料年1回根が出たら、リン酸肥料栄養生長から生殖生長への切り替え、肥料打ち切り(肥料止め)
7 洋ランの病気 根腐れしにくい植え方、霜除け・日除け・雨除け
8 洋ランの害虫 雨任せ
9 洋ランの鉢増し 植替え代わり
10 洋ランの高芽取り
11 洋ランの株分け なるべくしない、バルブ10本以下が目安
12 洋ランの芽欠き 春・秋・冬
4 洋ランの水やり 雨任せ、水切れ防止、乾湿のメリハリと根の生長、根を育てる
5 洋ランの植替え なるべくしない、鹿沼土植えで毎年や隔年の植替え不要
1 洋ランの育て方 草丈、葉の枚数、茎の太さ、芽期、薄葉・細茎・小型種、
2 洋ランの咲かせ方 年期、芽季、バルブ期、花芽時、花期、花芽と葉芽、花芽分化時期、2年型と半年型、エピデンドラム、ジゴペタラム、マキシラリア、
3 初めての洋ラン
16 洋ランの花後の花茎切り コチョウランは切らない、シンビジウムは切る
13 洋ランの日除け 木漏れ日、真夏は半日陰、薄葉と若葉の日焼け、光線不足防止
14 洋ランの霜除け 耐寒種の屋外越冬、初霜から終霜まで室内、耐冷種の旬屋外越冬の拡大
15 洋ランの雨除け コチョウランの雨除け開始時期、
洋ラン学園オリジナル
A 洋ランの始め方 夏の始め方
B 洋ランの土増し(土寄せ) 新根を育てる
C 洋ランの鹿沼土植え 浅広底穴鉢薄植え
D 洋ランの苔玉 コチョウランの苔玉
E バンダの根の保湿、バンダ・ロール バスケット植えのポリ袋入れ
F 洋ランの続け方
G 洋ランの冬知らず・室内高温冬越し 冷害後遺症、グラマトフィラム
H 洋ランの屋外冬越し 軒下ビニールトンネル
洋ランの作落ち 植替えと始め方、日焼け霜焼け
洋ランの支柱立て
洋ランの保湿
洋ランの保涼
4 グループ別の始め方・育て方・咲かせ方・続け方へのリンク
1 シンビジウム
2 デンドロビウム
3 カトレヤ
3 カトレヤ原種
3 ミニカトレア
4 ミニコチョウラン
4 コチョウラン
5 パフィオペディルム
6 オンシジウム
6 オンシジウム近縁属 ブラッシア、ビーララ、ゴメザ
6 ミニオンシジウム
6 ミルトニア・スペクタビリス
7 エピデンドラム
8 ジゴペタラム
9 セロジネ
10 ミニバンダ
11 デンファレ
11 フォーミディブル
12 キンギアナム
12 大明石斛
13 バンダ
14 グラマトフィラム
15 デンドロキラム
16 マキシラリア
17 キシロビウム
一 石斛
二 風蘭
三 春蘭 金稜辺
四 エビネ
五 報歳蘭
五 駿河蘭
2014年の計画
5 今月の洋ラン−半月ごとの様子 表紙 最新4月後半
  バックナンバー(表紙から)
あとがき−「消費者の楽しみ−安全・確実」と「趣味の園芸」との違い
洋ラン学園(このHP)の略歴とキーワード
最近の追加項目など(下から順)
ご協力いただいているラン園・クラブ・趣味家・学校(リンク)

表紙続き 別ページ
2013年の進展、グループ別
第二部・参考資料
洋ラン病院
 外因性(日焼け・霜焼け・雨負け)、根腐れ・枯れ、カビ病、細菌、虫害
洋ラン気象庁
 24節気
 初霜と終霜
 最低気温-6℃、シンビジウムとデンドロビウムの屋外越冬(臨時ビニールトンネルで)
洋ラン図書館
 開花カレンダー
 開花辞典
 洋ラン図鑑
 参考文献
  花芽分化、花つきと、日射、水やり、温度、肥料などの関係、花芽と葉芽
洋ラン美術館
更新経過

索引index3
講習会第一回(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸) 2008年6月
講習会第2回(多摩蘭友会) 2009年
全日本蘭協会・秋の洋ラン展にて初心者向け講習会(講座通算第8回)「これまでの方法でうまくいかない人に」 2013年11月2日
京葉洋ラン同好会にて講座第10回 2014.4.6


初めに−三大問題の解決法(2013秋)

問題1 根腐れの原因と防ぎ方−根ぐされは植え方で防ぐ
殆どの人が「洋ランの鉢を買ったけれど直ぐに枯れてしまった」になります。
世話の巧拙の問題と考えられていますがそうではなく、そもそも植え方に無理があるのです。
主な原因は洋ランは元来根がむき出しなのを鉢に植えるからです。
特に寒い時期に、根が冷たい湿った材料に覆われていると、直ぐに根腐れしてしまいます。
従って、生産者も、経験豊富な趣味家も、根腐れが避けられません。増して初めての人には防ぎようがありません。

洋ラン学園では、「根を野生に近づけ薄着、浅広鉢植え、植込み材料に隙間」という方法で根腐れが防げるようになりました。
根の周りの植込み材料の厚さを薄くすると、むき出しと余り変わりません
鉢を浅く広くすると乾きが早くなり、寒い時期でも過湿が続きません
ミズゴケは水やり直後は隙間が無く、バークも水やりすると膨らんだりして隙間が無くなります
東洋蘭やパフィオに使われている鹿沼土は、乾きが割に早く、粒の間に隙間があるため理想的なのです。(バークも大粒なら隙間はありますが小苗には向きません)
こうすると、合理的なので、根腐れは激減します。
洋ラン学園式浅広底穴鉢・鹿沼土中粒植え」なら殆どの種類が「根腐れの心配無しに雨ざらしの水やり」で育てられます。
小さな鉢は迷信?
これまでの方法では、「鉢は小さく、大きいと生長にエネルギを使うため花が咲かないから、小さな鉢だと根が早く一杯になってランは花を咲かせる方に向かう」と言われています。
しかし小さな鉢には、水切れなどで生長が思わしくなかったり、植え替えの頻度が増すと言う問題があり、手間と危険が増えます
狭い鉢では根が鉢の縁まで早く届くため、それからは根は植込み材料の中でなく、片側はむき出しになります。
咲きやすいと言われる一つの理由としては、ランはそうすると根が本来の状態になって元気になるために咲きやすくなるのではないでしょうか。
洋ラン学園の「根を薄着の方法」は、根をむきだしに近い状態にすることを目指しています。
そうすれば、鉢が小さくなくてもそれに近い効果があるのではないかと思われます。
同じような世話をしている場合、小さめの(深)鉢と大きめの浅鉢で、花付きに差があるようには見えません。
むしろ、大きな鉢に植えて大きく生長させた方が、小さい鉢で水切れで生長不良になるより、うまくいくと思います。
  
左:樹木に張り付いて根がむき出しの風蘭、中:浅広鉢で底は穴だらけ、右:カトレヤ原種、鹿沼土大粒で厚さ5または10センチ

問題2 洋ランが咲かない理由と咲かせ方-咲く可能性のある大きな苗・水切れさせずに旺盛に生長
洋ランは枯れないまでも、慣れない内は殆ど咲きません。
本やHPなどで、咲かせ方のコツが色々と言われていますが、その通りにしても咲かず、できないことが要求されたりします。
しかし、咲かない理由は、単に「苗が小さい」せいであることが大半です。
家庭菜園では「苗半作」といって小さな苗をいくら丹精しても実が着かないことは常識です。
売られている開花株は、咲く限界の大きさに過ぎないことが多いです。
特に種類と苗によっては、2年以上咲く可能性のない苗が売られています。
また、根腐れしないようにと、小さい鉢に植えて、水やりを控えめにしているため大きくなりません
洋ラン学園では、花の咲く可能性のある大株を入手し、根腐れは植え方で防ぎ、大鉢に植えて水切れさせず大きく育てるため、色々な種類が咲きます
 
セロジネの小株(左)と大株(右)、小株は咲くまでに何年もかかる 大鉢で満開のミルトニア・スペクタビリス、

問題3 初めての洋ラン
これまでの趣味の園芸では経験者と同じやり方なので、開花期の冬に入手すると大抵直ぐに枯れてしまいます。
洋ラン学園は新しい方法、冬なら鉢から出して広いペットボトルへ引越し
洋ラン学園式広口ペットボトル植え」は「周年室内や雨除け栽培・小型種屋外栽培」で「根腐れなしに水切れが少なく」育てられます。
根腐れ防止で安全に冬越しできます。
鉢に覆われず隙間が広いので鉢が早く乾いて、断然根腐れしにくくなります。
   
ミニコチョウラン・ミニカトレア/ミズゴケ植えから、 ミニオンシジウム・パフィオペディルム/バーク植えから
  
左:大型コチョウランもうまくいきます。コチョウランは、苔玉に。右:腰水栽培で花茎が沢山出てきたミニオンシジウム
暖かくなったら水栽培(腰水)へ季節と室温に応じて衣替え。
おまけ
洋ラン学園式バンダのポリ袋植え
バンダのバスケット植えは毎日や朝夕の水やりが必要で「趣味でない園芸」には不向きです。
バスケットから根の先までをポリ袋に入れてしまえば、乾燥が抑えられ根が枯れず、水やりは週に2回程度と他のランと同じで育てられます。(大学院で試行中)
 
まとめ:洋ラン学園式の洋ランの植替え(植え方)
屋外用の浅広底穴鉢鹿沼土中粒植え、室内用の広口ペットボトル植えで殆どの種類を育てられます。
バンダだけはポリ袋植えにします。
 
大輪のコチョウランとカトレヤでも、「有望株」を手に入れて「洋ラン学園」の「趣味でない園芸」の方法で育てれば、家庭で易しく咲かせられます 洋ランの咲かせ方(洋ラン高校)


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初めに終り


まえがき(2013秋)
洋ラン学園の基本方針と内容・構成

洋ラン学園では、
「丈夫で大きな苗を入手し、根腐れしにくい根を薄着の安全植え(衣)にして、生長に必要な水切れなしの水やり(食)、気候に合わせた最適な置き場所への引越(住)」
という四原則の簡単な方法で、初めての人が色々な種類を易しく咲かせています。

目次
1 洋ラン学園の咲かせるための苗と衣食住の四原則
2 このHPで育てて咲かせる種類 30グループ 園芸店で手に入りやすい種類なら何でも(クールオーキッドを除く)
3 6段階の育て方と咲かせ方 1初めての洋ラン(幼稚園)、2始め方(小学校)、3育て方(中学)、4咲かせ方(高校)、5難しい種類(大学)、6続け方と研究(大学院)
4 置き場所別の育て方と咲かせ方 屋外/屋内(高温)、屋外/屋内(低温)、周年室内(高温)、周年室内(低温)
5 洋ランの障害と対策-洋ラン病院-4段階の対策
6 洋ラン学園では、温室・ミズゴケ・バ-ク・蘭鉢・素焼鉢・液体肥料・農薬・吊り鉢を使いません(例外あり)
7 趣味の園芸と趣味でない園芸の違い
8 まとめ-洋ラン学園のやりかた十カ条

1 洋ラン学園の咲かせるための苗と衣食住の四原則

1 有望株の入手(苗)
2 根を薄着の植え方(衣=植え方)
3 保湿の水やり(食=水やり)
4 季節ごとの引越・日除け雨除け霜除け(住=置き場所)
(+夏は雨季・生長期・夏知らず、冬は暖季・冬知らずでふるさと再現)
で、多くの蘭が枯れずに咲きます。
高温期と低温期では別の植物、保温・保涼・保湿
洋ラン十二カ月などと言って、毎月の世話が細かく議論されますが、それ以前に、低温期は根腐れを防ぎ、高温期はぐんぐん大きくすると言う切り替えが大事です。
高温期と低温期とでは洋ランは別の植物と思って、低温期は根腐れ防止で湿りを防ぎ暖かく、高温期は水切れ防止と夏負け防止を目標に育てて咲かせましょう。
この内、難しいのは低温期で根腐れさせないことであり、高温期は難しくありません。


低温期高温期
目標根腐れ防止生長促進

冬知らずなら根腐れの心配なし高温期は根腐れ心配ない・水切れ注意
方法 根をむき出しの植え方
保温
水やりは速乾
保涼
保湿

    
高温のは木陰の地面で保涼・保湿水を切らさず、夏知らず        春秋低温期の屋外は日だまりで乾きを早めて保温         の室内では温度を高く冬知らず

咲かせるには同じ種類を2鉢以上
洋ランの咲かせ方として、色々なコツやべからずが挙げられていますが、それは実は「新芽が小さいために咲かない」のを無理に咲かせようとしていることが大半です。複茎種は、「脇芽を大きくすれば咲く」物が大半です。
従って、「育て方と咲かせ方は同じ」なのです。新芽の大きさは、植替えしたり、親株が咲いたりすると芽の出方が遅れたり生長が緩慢になったりで小さくなったり、半年型の種類は親が小さいと子も小さくなったりなど、いろいろな条件でばらつきます。そのため、同じ種類が複数鉢あると咲いたり咲かなかったりします。そこで、「確実に花を見たいなら複数鉢育てる」ことをお奨めします。そうすると育ち方や咲き方についても色々なことが良く分かります。洋ラン学園では殆どの種類を複数鉢育てています。2014.9.2

2 このHPで育てて咲かせる種類−園芸店で手に入りやすい種類なら何でも

園芸店では、季節により色々な洋ランの開花株が売られています。一般家庭でどの種類が育てられ咲くのかはよく分かりません。
洋ラン学園では、それらの大部分を店頭で買い求め、種類に依らずほぼ同じ方法で育てて、咲くことを確かめています。
そして、それらを以下のグループに分けてみました。初めにも書いた「高山植物−クールオーキッド」以外は、難しさの程度の差はありますが、大抵家庭で育てられ、咲かせられます。
そのやり方や育ち方・咲き方も紹介しています。
中には他の種類に比べて育てにくい種類があります。また同じグループでも、
同じ世話をするなら一般に大きい種類・苗ほど丈夫で咲きやすい傾向があります。極端に小さい種類は注意を払わないと枯れやすい傾向があります。
園芸店で手に入る種類(本HPの対象など)洋ラン名簿 
ク゛ルーフ゜仮称
属(学問的なものではありません)
五大属基本種1シンビジウム*、2デンドロビウム2+下垂種、3カトレヤ、3+ミニカトレア、3カトレヤ原種、4コチョウラン(4+ミニ)、5パフィオペディルム
新五属普及種6オンシジウム(+近縁属・属間交配種6+ミニ)、6+ミルトニア・スペクタビリス、7エピデンドラム、8ジゴペタラム、9セロジネ、10ミニバンダ
続五属花物 11デンファレ(11+フォーミテ゛ィフ゛ル)、12キンギアナム*(12+大明石斛タイミンセッコク*)13バンダ**、14グラマトフィラム、15デンドロキラム
16マキシラリア17キシロビウム
東洋蘭和蘭
石斛(長生蘭)、二風蘭(富貴蘭)(二+名護蘭)、三春蘭*中国春蘭・金稜辺、四エビネ*、五報歳蘭*(五+駿河蘭*)
山野草対象外aミルトニア、bリカステ、cオドントグロッサム、dソフロニティス、eマスデバリア

これらの内、園芸店で入手できる丈夫で咲きやすい種類が、全て同じように世話をするだけで、翌年以降も咲かせられるようになります。赤字・桃字は特に咲きやすい種類です。
これら以外にもたくさんの種類がありますが、園芸店で見かけることはまれであり、上記のどれかの種類と近縁なので、独立してはとりあげません。
洋ラン学園では、一般向きでない種類は挑戦しません、クール・オーキッド
趣味の園芸を楽しもうという人にはできても、一般には難しいのが、高山植物の「ミルトニア、リカステ、オドントグロッサム、マスデバリア、ソフロニティス」や根をむき出しにしないと腐る「バンダ」です。
前者はクール・オーキッドと呼ばれ園芸店にも売られていますが、洋ラン学園ではとりあげません。
山野草のグループは、園芸店で売られていても暑さに弱く、一部の種類を除き枯れやすいです。「趣味の園芸」向けの商品です。従って基本的には「趣味でない消費者の園芸」のためのこのHPではとりあげません。
バンダは、一般の人にも育てられる方法をめざして「バンダ・ロール(巻き寿司植え)」を研究中なので、「洋ラン学園−大学院」のページでとりあげています。クール・オーキッドの一部も「大学院」で研究します。
   
高山植物(クール・オーキッド)で「趣味でない園芸では夏を越せずに枯れることが多い」、左:オドントグロッサム、中:ソフロニティス、右:マスデバリア

3 段階別の育て方と咲かせ方 初めての人から経験者まで、易しい種類から難しい種類まで

洋ラン学園では、上に書いたように初めての人には易しい方法を提案しています。
さらに、元気に大きく育てる方法、花を咲かせる方法と、段階的に課題を挙げて解決していくので、無理なく咲かせられるようになっていきます。
しかもそこまでは、種類に依らない方法です。
このように洋ラン学園式の育て方と咲かせ方、はできているので、入手した苗から洋ラン学園への転校(始め方)が課題です。
その上で、やや難しい種類について、難しい理由とその解決法を説明しているので、園芸店にある種類を殆ど咲かせられるようになります。
洋ランは一度咲いても、咲かせ続けるには新たな問題があるため、その解決法も考えています。
段階
1 初めての洋ラン(洋ラン幼稚園)
2 洋ランの始め方(洋ラン小学校)-入手した鉢の「転校」
3 洋ランの育て方(洋ラン中学)
4 洋ランの咲かせ方(洋ラン高校)
5 洋ランの続け方(洋ラン大学)、付 やや難しいしい種類の育て方
6 洋ランの続け方と研究 大学院

4 置き場所別の育て方と咲かせ方

冬が暖かいと七難隠す
洋ラン栽培を制限するのが、育てる場所の温度です。
洋ランは職場のように1年中最低20℃以上ある所なら放っておいても育って咲く位です。
また、冬に15-20℃以上に保てる部屋に取り込んでも、同じように安全です。
危険な冬の低温(10℃未満)
しかし、夜の温度が10℃以下や5℃以下になると、ずっと根腐れしやすく育ちにくく咲きにくくなります。
洋ラン学園の方法でもそのような処で安全に育てられる保証はありません。
以下の「本校」でうまくいっている例は基本的に冬の温度が15-20℃以上です(シンビ・デンドロや東洋蘭系を除く)。
これまでの方法では洋ラン学園の方法以上に危険です。
経験が無いと、丈夫な種類を、細心の注意を払って、控えめに育てて、花が咲けば運がいい位です。
始めるかどうか良く考えましょう。
洋ラン学園では、
1 屋外/室内高温編(本校)の他に、
2 屋外/室内低温編(東京分校・家庭)、
3 周年室内高温編(大阪分校・職場)、
4 周年室内低温編(家庭)
5 周年屋外(家庭)
で色々な環境に合わせた方法の例を紹介します。また洋ラン大学では植え方はこれまでの方法と同じで屋外/室内法の例を紹介したいと思います。

洋ラン合格生のノート・分校・洋ラン楽園−双方向、消費者が作る方法

これまでの方法は「専門家による専門的な方法」で、一方向に伝えられるものでした。作者の自作自演だけでは、一般の人が実行できるか分かりません。
また、毎日水やり、朝晩に霧吹き、種類ごとに10%刻みの遮光率、十日ごとの液肥、鉢ごとに吊り鉢、低温中温高温グループごとに屋外と室内の出し入れの時期が異なるなど、煩雑で普通の人ができそうにないことが平気で考えられています。
「合格生のノート」は初めての人が洋ラン学園の方法を実行しどのように育ち咲いたかの実例なので、自分と近い条件もあり、身近です。
洋ラン学園では、初めての人に試してもらい、うまくいかない点や分かりにくい点があれば、その人か学園で直ぐに改善しています。双方向なのです。
分校はその中で、環境などの条件が良く、「模範的」な例です。「洋ラン楽園」は、中でもうまくいっていて、色々な種類が良く咲いている例です。
洋ラン楽園
昨年開設した分校はその後も開花が増えています。室温が20℃ある職場は「洋ラン楽園」です。

5 洋ランの障害と対策-洋ラン病院

2014.1.10項目追加
洋ランは順調に育たず咲かないことがあります。
障害は幾つかあり、それを全て退治すればうまくいきます。
洋ラン学園では段階を追って原因と対策を明らかにし、年々着実に減らしています。
常に極限の栽培、次の問題の研究をしているため、次々と新しい障害だらけです。
趣味の園芸の成果を誇示する他のページと比べると貧弱なのはそのためですが、参考にしていただければそれよりうまくいきます。
洋ランには色々な病虫害があります。
普遍的で基本的な対策のできるものと特殊なものがあります。
詳しいことは洋ラン病院のページにあります。
主な障害と病気対策の4段階

障害
原因症状対策・予防
病気



段階



1小学校内因性根腐れ・枯れ(水切れ)植え方・水やり・保温・保湿
2中学外因性霜焼け・日焼け霜除け・日除け
3高校菌(カビ)黒点・芽腐れ・炭疽病など雨除け・日除け
4大学細菌軟腐病(異臭)予防





虫害

カイガラムシ親虫除去・雨ざらし





作落ち
植替え・過密新芽の生長不良・バルブの細り旺盛な生長・株分け












根腐れ

コチョウラン、冬に寄せ鉢を入手すると根腐れしていることがあります、バークとミズゴケ植えは1-2年たつと根腐れしやすくなり植替えが欠かせません。

冷害(霜害、凍害)
 
冷害:左:シンビジウム、葉が半透明になって茶色く枯れる、右:スペシオキンギアナム:葉が白く枯れる、耐寒種は霜を防げば大丈夫なようです。

日焼け

左:カトレヤ。右:コチョウラン、直射日光で安全な種類は殆どありません。
遮光ネットでは日焼けは防げません。

雨ざらし(低温期)による病気
  
左:コチョウランの炭疽病、低温期に開花株を入手すると発症していることがあります。低温の雨ざらしでも発症します。発病すると枯れることが多いです。右:パフィオペディルムの炭疽病、落葉し株が弱りやすいです。

虫害

カイガラムシ ミニカトレア、株を入手して殺虫剤をかけないでいると隠れていた虫が繁殖します。薬を掛けても絶滅は困難です。
洋ラン学園では成虫を取り除き雨ざらしで幼虫を駆除します。

霜除け・日除け・雨除け 病気を防ぐため
根に優しい植え方と高温で根腐れを防ぎ、水切れ防止で枯れや生育不良を解決すると、残る問題は病気です。
それには、霜除け・日除け・雨除けが大事です


危険の目安安全の目安備考
根腐れ 最高温度20℃未満
鉢内が1週間近く湿っている
最低温度20℃以上
鉢内が3-4日以内に半乾き
冷暖房完備の日当たりのよい室内で周年育てるなら
初めてでも簡単に咲きます
日焼け直射日光半日陰・木漏れ日ただし育てて咲かせるためにはできるだけ光を多く
凍害霜降り・0℃未満霜なし・最低0℃以上枯れないための最低条件(熱帯産は10℃)、冬を20℃近くにすると天国です

6 洋ラン学園では、以下のものは使いません

洋ラン学園では、育てて咲かせるだけでなく、環境に優しく、やり方は易しく、手間がかからない、を目指しています。
使わないもの理由代替
温室 一般の洋ランには不要
建築と維持に高額の費用
不要になった時に処分に困る
冬は室内で冬知らず
ミズゴケ 家庭で用いると最も根ぐされしやすい
貴重な湿原植物を乱獲
高価・入手困難
鹿沼土は入手容易・再使用可・自然に帰る
適湿が続き根腐れしにくい
劣化せず定期植替えほぼ不要
室内苔玉とバンダ・ロールのみ使用

バーク 乾くと撥水する、植替え時に水切れする
1年以上たつと膨潤して根腐れの基
高価・入手困難・検疫強化
同上
素焼鉢 一般の洋ランには不要
ほぼ1年ごとに植え替え必要
再使用が難しく、廃棄物を増やす
趣味向き
透明ポリポットは根腐れ予防・安価・省資源
スリットプラ鉢は根腐れ予防・省資源・再使用可

ラン鉢・
ラン用配合培養土
細深鉢は乾きが遅く根腐れしやすい
鉢増しするとゴミになる
配合培養土でなくても、適度に育って咲く
なるべく広くて浅い底穴だらけのプラ鉢
鹿沼土、(一部はバークも可

農薬 効果が少ない、毎月撒く必要
自然破壊、人体に有害
カイガラムシは雨とハブラシで駆除
低温期のカビ病は雨除けで予防

有機肥料蠅が発生する、室内で臭う緩効性・粒状化成肥料置肥年1回
液肥 一般の洋ランには不要
手間がかかる、過剰施肥の害、富栄養化
春に緩効性化学肥料を置肥か元肥
遮光ネット 風で飛んだり管理が面倒
日焼けは防げない
木陰、物陰
吊り鉢風で飛んだり管理が面倒・乾きすぎ風通しが悪くなければ十分育つ

プラスチックスリット鉢、鹿沼土、バーク、ミズゴケの健全なものは再使用
13バンダと10ミニバンダの一部はバンダ・ロール(但し大学院)かバスケット・ポリ袋、4コチョウランは原則として全て室内
またクールオーキッドは趣味家に任せ敬遠しています。

7 趣味の園芸と趣味でない園芸の違い

洋ランの栽培書では、「趣味の園芸」が当たり前とされています。しかし、洋ランを咲かせようと思っている人の大多数は下記のように「趣味でない園芸」に属します。
趣味の園芸と趣味でない園芸では、目的が異なるので、方法が同じで良いとは限りません。
むしろ同じ方法では目的に合わないと考える方が自然ではないでしょうか。
洋ラン学園は、これまで誰も考えてこなかった「趣味でない園芸」のための方法なのです。「趣味の園芸」の人に薦めるものではありません。

趣味の園芸趣味でない園芸
主目的花を咲かせる花を咲かせる
副目的手間暇金をかけることを楽しむ 安全第一
特別な道具や設備を使わない
手間暇をかけない
コストパフォーマンスが良い


咲きにくい難しい種類を咲かせる
人よりきれいに咲かせる
咲きやすい種類を確実に
年中室内など手元で楽しむ


趣味家一般の花好き





8 まとめ

方法の基本−趣味の園芸(温室育ち)から洋ラン学園(野生児)へ、生産者から消費者へ
洋ラン栽培はイギリスで貴族などの道楽として温室で始まりました。現代の生産者の元でも早く確実に咲かせるために温室が使われています。「趣味の園芸の洋ラン栽培」はこれらを家庭に当てはめることが基本になっています。家庭での洋ラン栽培は一部の趣味家を除いて殆ど、バラやシクラメンのようには、うまくいきません。
一方、生産者は、初花を咲かせて出荷することを目的に栽培しています。温室、冷暖房、遮光、未開花の若苗、小さめの鉢に植えたまま、毎日の水やり、農薬散布などが基本です。
店頭に並ぶ時には、根は鉢に一杯で窮屈で作落ちの前段階、植込み材料は傷み始めて根腐れ間近ということがあります。
家庭に来てからは、温室と冷暖房なしで、毎年花を咲かせたいという消費者の目的には合わない状況になっています。
洋ラン学園では「温室育ち」でなく、「自生地に近づけた野生児の育て方」です。従って、普通の家庭で、片手間に世話をしていれば、ランが元気に勝手に育って、そこそこ咲きます。
自然に過ごさせ、自然の力を借りるので、人間の力はあまり要らないのです。
生産者から消費者へのスムーズな移行も考えています。
根をむき出し植え」の写真の例はすぐ下にあります。

趣味の園芸
生産者
洋ラン学園効果自生地

温室育ち野生児設備・道具・手間いらず野生(鉢・遮光・雨除けなし)
置き場所温室屋外・雨ざらしカイガラムシ退治屋外雨ざらし
植え方(根)鉢植え(ミズゴケ)根をむき出し植え(バーク・鹿沼土)根腐れ防止根は空中浮遊
遮光遮光ネット木漏れ日・物陰遮光不要木漏れ日
水やり鉢表面が乾いてから雨任せ(鉢中の乾きを確認)・夏は保湿夏の生長旺盛・開花雨任せ
気候人工冷暖房低温期は保温と速乾、高温期は保涼と保湿冬知らず・根腐れ知らず休眠期は乾季、生長期は雨季

2013年洋ラン学園のやりかた十カ条(完成型・標準)
大輪のコチョウランとカトレヤでも、「有望株」を手に入れて「洋ラン学園」の「趣味でない園芸」の方法で育てれば、家庭で易しく咲かせられます 高校
重要で簡単な以下の項目を行うだけで大半の種類が楽に育てられ咲きます。
1 普及種・有望株の入手
2 根腐れ防止:植え方:浅広底穴鉢・横根鹿沼土植え(ミズゴケ・バーク・ラン鉢不要)
3 冷害防止:霜除け(温室不要)
4 日焼け防止:日除け・木陰物陰(遮光ネットほぼ不要)
5 病気防止:雨除け(コチョウランなど)
6 水切れ防止:雨ざらし
7 生長促進:置き場所:冬は楽園冬知らず
8 生長促進:置き場所:夏は雨季・植込みの中で保涼保湿
9 生長促進:年1回の緩効性化成肥料置肥(液体肥料不要)
10 害虫予防:虫除けの雨ざらしと見つけて駆除(農薬不要)

個々の具体的な世話(作業)の仕方は洋ラン学園本文の
3 基本的な世話の仕方(洋ランレシピ)
にあります。

前書き終り



洋ラン学園 本文


2014年、年頭に
洋ラン学園では2007年5月から洋ランの育て方の研究をしています。
最初は本に載っている「趣味の園芸」の方法でやっていましたが、うまくいかないので、その理由を探りながら対策を練ってきました。
6年を経た昨年の夏までに、根腐れしない植え方にとして「浅広底穴鉢横根鹿沼土植え」でめどが付き、大株入手の群生株作り、雨任せの水やりと害虫退治、冬は冬知らず、など「これまでの趣味の園芸の方法」とは対照的な単純で明快な指針」を探し続け、育てて咲かせるための苗と衣食住の4原則などをまとめることができました。
グループ別では、昨年は薄葉細茎小型の代表であるミニオンシジウムが腰水栽培で花を沢山付け、フォーミディブルが新しい脇芽が出てから咲くまでに2年かかる「2年型」の典型であることを再確認し、やや難しい種類の体系化が進みました。保温・保涼・保湿を徹底させ、霜除け・日除け・雨除けを提唱。バンダを根がむき出しのバスケット植えでも他の種類と余り変わらぬ世話で育てられるようになりました。また一般に高嶺の花で温室が必要と思われているカトレヤ原種も洋ラン学園式で咲きそうです。
また、洋ラン学園方式で初めての人が育てた実例である「洋ラン合格生のノート」が、本校では屋外/室内(高温)であるのに対し、色々な置き場所での育て方を周年室内を含めて「洋ラン学園分校」へと発展しました。すなわち、これまでの育て方(趣味の園芸式)の弱点を克服できるめどがついてきました。さらに色々なところで講座をやらせていただくようになってきました。
今年は、残り少なくなってきた咲きにくい種類の咲かせ方、咲かない理由の大半である「作落ち」の対策、今や最大の課題となった、入手株の洋ラン学園式への移行の方法、そして最低気温が-5℃になる東京郊外での「耐寒種の屋外越冬」、零下にならない東京都心での「耐冷種の屋外越冬」の見極め、などが目標です。
色々な置き場所に対応した分校の充実、電子教科書としての体系化、講座の拡充も進めたいと思います。(〜1.18)
研究・開発・製品化(実用化)
物作りには、研究・開発・製品化(実用化)の三段階があります。洋ラン学園の研究と開発は一般的な種類については昨年までで一段落したと思います。
今年からは実用化と、やや難しい種類の育て方の開発、そして難しい種類の研究を続ける予定です。2014.1.22
保温・保湿・保涼・通気、微気象の制御
洋ラン栽培というと鉢をいじることと思いがちですが、洋ランは他の植物と同様に、日光・水・高温で勝手に育って咲きます。
人がやるのはその手助けで、具体的には洋ランの周りを、光合成に適した状態で快適に保つ「微気象の制御」が一番有効なのです。
保温(高温の維持)・保湿(水分の維持)は光合成のためで、保涼と通気は快適に保つためと言って良いでしょう。
温室は大がかりで遠回りで却って小回りが利かないことがあります。鉢の周り、根の周りを季節と種類に応じて変えてやることは不利とばかりは言えません。2014.1.21
先人の研究成果の活用で花つき向上へ
シンビジウム・デンドロビウム・カトレヤなどについて、花つきと、日射、水やり、温度、肥料などの関係の研究が行われています。
これらは生産者の視点で主に花芽分化を調べたものですが、うまく活用して、家庭での開花率の向上につなげたいと思います。2014.1.27
2014年夏
洋ランの大半の種類を、「洋ラン学園式・浅広底穴鉢・鹿沼土薄植え」にすることにより、根腐れせず、少ない水やり回数で育てられるようになりました。
毎年失敗してきた、日焼け・霜焼け・雨負けも対策が出来てきました。
温室・素焼鉢・ミズゴケ・バーク・農薬・液肥を使用しないでも大丈夫なことも分かってきました。
これらの植込み材料から鹿沼土・プラスチック鉢植えへの完全植え替えも、作落ちはありますが無事できるようになりました。植替えしなければ作落ちはもっとひどくなります。
一方、相変わらず、世話をし無さ過ぎることからくる生育不良が課題です。水切れ・光不足(植込みの中に埋没させたまま)、肥料不足などです。
ただし、多くの種類が無事育つため、グループや種ごとの育ち方と咲き方の特徴をはっきりさせられるようになりました。2014.8.4


洋ラン学園のあらまし まえがき 2013年版
洋ラン学園の具体的な方法・本HPの構成

洋ランは、暖地産の・樹木の枝に生えて・根はむき出しで・木漏れ日で育ち・雨季に大きくなって花芽を作り・乾季に咲き新芽を出し・乾燥に強く・水を好み生長旺盛な、新芽は一度しか咲かない宿根草です。
このことを踏まえて世話をすると、安全に育ち、確実に咲くようになります
温室・農薬・素焼き鉢・遮光ネット・液体肥料は使いません、水やり・植え替え・ミズゴケ・鉢・室内・コスト・廃棄物最小限
趣味家向けの、日本の暑さに負けやすいクール・オーキッドは扱いません
以下の構成で、具体的に説明し、実例を示します洋ラン学園の狙いと特徴
1 洋ラン学園は「枯れる・咲かない」の解決法を提案します
(1)枯れる1−洋ランの根は特殊・むき出し−普通の鉢植えでは根腐れするのが当たり前
(2)枯れる2−洋ランの根は特殊−太い皮で覆われていて、低温で過湿だと直ぐに腐ります−低温期はできるだけ暖かく乾きを早く
(3)枯れる3−ミズゴケは難しい−なるべく早く他の材料に植替え
(4)咲かない1−苗半作−大きい苗ほど丈夫で咲きやすいので有望株を入手!
(5)咲かない2−大きくならない−冬と夏では別の植物−夏は雨季で生長期、休眠期ではありません−大きくすればひとりでに咲く
(6)続ける−鹿沼土植えなど
(7)趣味の園芸と趣味でない園芸の違い
(8)まとめ−
2 具体的な解決法 
(1)洋ラン学園の始め方−まず根腐れを防ぐ
3 洋ラン学園の具体的な方法・本HPの構成

(1)教科書・レシピ

教科書では、初めて(小学校)、育てる(中学)、咲かせる(高校)、楽しむ(大学)、続ける(大学院)と段階的に高度にしていくのでスムーズに上達します。
レシピでは、簡単な世話を、全て、図入りで説明するので、易しくやることができます。


1 段階別の育て方と咲かせ方


初めての洋ラン(洋ラン幼稚園)
初めに、の問題3参照


洋ランの始め方(洋ラン小学校)
(1)始め方
根をむき出しに植えて暖かい所に置き、最大の問題である根腐れを防ぐのが基本です
初めての人が室内で始めるには、「はじめに、1安全な育て方、(1)初めての洋ランの始め方2013のレシピ」の「広めのペットボトルに移す」をやります。
新しく入手した開花株を春から屋外で育てるには「透明ポリポット・重ね着鉢増し」にします。

始める時期と種類と苗
洋ランが最も根腐れしやすいのは、開花株が最も多く店頭に並ぶ冬です。一方、夏は根腐れしにくく、生長が旺盛です。
特にコチョウランは、冬の店頭の株は、根腐れや炭疽病が始まっていることがあります。
大苗は丈夫で、体力があるため翌年の「お土産花」が期待できます。


時期夏が根腐れしにくく安全
種類 根が丈夫・生長が旺盛・咲きやすい
シンビ・デンドロ・エピデン
大型種・大苗・大鉢

(4)咲かない1−苗半作−大きい苗ほど丈夫で咲きやすいので有望株を入手!
洋ランは易しい植物とは言えません。一度花が咲いたら次は1年後しか咲きませんが、これまでの方法では大抵その前に枯れてしまいます。
自生地ではランは全て大きな群生株で、展覧会に並ぶ鉢も全て大株で咲いています。
「ランは大きければ簡単に咲く」のです。
洋ランの苗は大きければ丈夫で咲きやすく、若い苗ほど抵抗力も体力も不足しがちです。店に並ぶランの多くは「未熟な小株」です
洋ラン学園では「来年咲く可能性のある大きな有望株を入手する」ことに力を入れています。
ミニカトレアなら、開花株の脇に蕾付きの新芽が出ていることさえあります。パフィオは単株が多いので脇芽が出て育つまで中々咲きません
咲きにくい種類では具体的には、
コチョウランは葉が8枚ある株、パフィオは脇芽の葉が8枚になれば咲く、バンダは葉が約20枚あると咲きやすい、大明石斛はバルブ長が15cm
などです。こういう苗なら慣れない人でも翌年咲きます。
小さい株だと数年育てないと咲かず、その前に枯れてしまうことがあります。
株の大きさを考えずに咲かないと嘆いていませんか?小さな株では苦労ばかりで楽しめません。
大苗と小苗は全く別物なのです。
小さな株が10株あっても3年は花が咲かず、慣れない内はその前に大半が枯れてしまいます。
咲いた花を見るのでなく、咲かせることが目的なら、売れ残って花の終わった鉢を入手する方法があります。
   
ミニカトレアの開花株の隣の新芽が続けて咲く  コチョウランの葉が10枚近くの株に秋以降に花茎が出て咲く パフィオは開花株の脇芽(手前)が出て葉が8枚になるまで咲かない(売られている株は脇芽なしが多い) ミルトニア・スペクタビリスの群生・分岐株の開花
  
   バンダの葉が20枚以上ある株から夏-秋に花茎が出て咲く 大明石斛の作落ちした株と巨大開花株


-入手した鉢の「転校」
始め方=洋ラン学園式への植替え
根の本来の状態に近い洋ラン学園式の植え方では根腐れの心配が減ります。
しかしそのためには植替えが必要です。
植替えは枯れの最大の原因と言っても過言ではありません。
従って植替えの仕方が大事です。

(3)枯れる3−ミズゴケは難しい−根腐れ・なるべく早く他の材料に植替え
経験を積まないと根腐れしやすく枯れやすいのはミズゴケに植えていることがもう一つの大きな理由です。
根腐れは根が低温で過湿が1週間続くと起きてしまいますが、ミズゴケは低温ほど乾きが遅くなるという性質があるので、
初めての洋ランをミズゴケ植えで冬に購入して、夜寒くなる部屋に置いておくと直ぐに根腐れしてしまうのです。
その上、無事に冬を過ごせても、今度は夏にはミズゴケは高温ほど乾きが早く、しかも乾いてしまうと水を弾いて受け付けないので、普通に水やりしても枯れてしまうのです。
さらに、ミズゴケは植えて1年もすると腐ってその結果根も腐ります。
従って屋外で育てるにはミズゴケ植えだけはできるだけ早くほかの材料(バーク、根の丈夫な種類は鹿沼土)に変えた方が安全です。
「はじめての洋ラン」や「趣味でない園芸」にはミズゴケは不向きです。(ただし、室内ではミズゴケの苔玉が使えます)
*バークも有機材料なので腐りやすく、特にパフィオは数年植え替えしていない苗を入手すると根腐れしています。
  
入手したミズゴケ植え苗の根腐れ、左から、コチョウラン、オンシジウム、ミニカトレア


洋ランの育て方(洋ラン中学)

基本は、「趣味の園芸のような小さな鉢に植えて細心の水やりで根腐れを防ぐ」のでなく、「はじめに、1安全な育て方=苗と衣食住、@-C」をやります。
趣味の園芸と違って、根腐れの心配が少なく、「大きく育てる」ことに集中できます。
@丈夫な種類の大きい苗 
A根腐れしにくい植え方
B冬の暖かくて日当たりのよい置き場所(夏は涼しくて保湿できる置き場所)
C週に2回程度乾く水やり
 
根腐れ防止の植え方
(1)枯れる1−洋ランの根は特殊・むき出し−普通の鉢植えでは根腐れするのが当たり前
「根を薄着」の植え方
樹木に着生し(樹皮であるバーク植えに相当)空中や木に沿って伸びて、むきだしになっています。鉢に植えると根腐れしやすいのはそのためです。
洋ラン栽培と違って、風蘭は昔から根元はむき出し、鉢の中は空洞で、「根は薄着」の植え方で、根腐れ知らずです。
洋ラン学園では「根を(片)むき出しの植え方」にするので根腐れが防げます。
  
蘭の根はむき出し(風蘭)     古典園芸では、根元はむき出し、薄いミズゴケ層に植えた空洞(芯入り)植えで根腐れ知らず
 
オンシジウムを、透明軟質ポリポット中芯・底板入り・横穴鹿沼土植えから、浅広底穴鉢鹿沼土植えに植替え

浅広鉢・底穴・横根植え(鹿沼土、カトレヤのみバークを併用)
根腐れは、主に低温時に、過湿と酸欠が続くときに置きます。従って植込み層の厚さを数センチ以下にして乾きを早くし、根を横に伸ばすようにし、鉢底を穴だらけにして空気が下から上に抜けやすくしてやれば、根腐れしにくくなると考えられます。また植込み材料がミズゴケかバークだと1-2年で腐り始め根腐れの原因になるので、腐らない鹿沼土を用いるとその原因も除くことができます。洋ラン学園では殆どの種類を鹿沼土植えにしており、さらにこの植え方にすることによって、残るカトレヤも鹿沼土植えで大丈夫になると期待しています。

  
カトレヤや大株は、浅広で底穴の多い鉢に発泡スチロール板を敷き、根茎を載せ根を広げ横に伸ばして、鹿沼土大粒で覆う薄植え
木の枝に沿って根を伸ばしているのに似ています。
ミニカトレアの大部分や大型カトレヤの一部は既に鹿沼土植えです。
 
透明軟質ポリポットの底を切り取り網でふた  鉢の高さを半分くらいに切り縮めて植える

(6)−鹿沼土植えなど
開花株の有望株を入手すると1年目はお土産花が咲きますが、2年目以降を咲かせるのは別問題です。
鉢が小さいか、植込み材料のバークかミズゴケが腐って根腐れし始めるかで、徐々に作落ちすることが多いです。
植替えは何年経験を積んでも、枯れることの最大の原因です。
植替えを減らすことができ植替えをした時に枯れにくいのが鹿沼土植えなのです。
シンビは春蘭との交配種が多く、春蘭は鹿沼土植えが多いです。またパフィオは軽石や鹿沼土系の物に植えられていることが多いので抵抗がありません。
キンギアナムは洋ランと思われずに赤玉土などに植えられていることが多い出す。報歳蘭・駿河蘭は春蘭系なので何の問題もありません。
これらの他に、デンドロビウム、デンファレ、フォーミディブル、オンシジウム、ミルトニア・スペクタビリス、グラマトフィラム、マキシラリアなどは、本来根が丈夫で、洋ラン学園の「根を薄着の植え方」なら、根腐れしにくいです。
残るは比較的根腐れしやすい、カトレヤ、エピデンドラム、ジゴペタラム、植替えに弱いセロジネ、位だけです。これらについても、平鉢で大丈夫と思われますが実験中です。
バンダとコチョウランは、ミズゴケのバンダ・ロールと、苔玉で室内栽培を基本にしているため対象外です。
  
パフィオペディルム               フォーミディブル

(2)枯れる2−洋ランの根は特殊−太い皮で覆われていて、低温で過湿だと直ぐに腐ります−低温期はできるだけ暖かく乾きを早く、冬知らず
洋ランは乾燥地で根がむき出しなので、根は厚い貯水層の「さや」で覆われています。根腐れするのはこの「さや」が低温で過湿にさらされている時です。
洋ランが多く出回り、家庭で育て始めるのは冬が多く、温室から寒い店や部屋に移された蘭は、直ぐに根腐れしてしまいます。
冬でも20℃以上ある暖房完備の部屋なら、初めてでも殆ど根腐れしません。15℃前後の温室よりも快適です。
それより温度が低い場合
鉢から出して広浅のペットボトルに移すなど、寒くても早く乾くようにしてやれば良いのです。
 



洋ランの咲かせ方(洋ラン高校)

ランは原則として、1年に1回しか咲かず、酷暑の夏と厳寒の冬を乗り越えて、しかも、新しく出た芽を花芽時までに親の大きさまで育てないと咲かないのです。
これまでの方法は根腐れ防止方が不十分なため、経験を積まないと殆ど直ぐに枯れて、1年後に咲かせるなど思いもよりません。
初めての人がうまく育てられるようになるまで待っていたのでは、殆ど咲かせられません。

(i)初めてでも咲く方法から毎年咲かせる方法まで−段階を追って

洋ラン学園では「育てる」までは、これまでに比べて安全で易しくなっているので、早くから「咲かせる」ことに集中できます。
さらに咲かせるについても、易しい種類から難しい種類へと、咲かせながら上達するので、初めての人から開花を楽しむことができます。
まず、初めての人でも直ぐに咲かせられる方法があります。それは、「ランに咲いてもらう」方法です。
さらに、親株が大きくて元気なほど、慣れない世話や、夏や冬に負けないで、1年後に新芽が花の咲くに足るだけ大きくなる可能性が増します(シンビジウム、オンシジウムなど)。これは、親株の力を利用するのでお土産花と呼ぶことにします。
これらなら、育て方に上達する前に花を見ることができます。
こうして「成功体験」を積みながら、本やネットには殆ど書いてない「ランはどのように育って咲くか
を知ることができるので、育て方や咲かせ方が分かってきます。
段階

咲き方条件
1初めて/小学校開花株花が咲いたら終り
2育てる/中学二番花開花株に脇芽が着いていて、一月から半年以内に咲く開花株に花芽や花茎がある
3咲かせる/高校お土産花開花株から脇芽が出て、1年で十分に大きく育ち、一年後に咲く大株で体力がある、一年無事
4楽しむ/大学自力開花2年目以降の新しい脇芽からも咲き続ける作上がり(年ごとに大きくなる)
4続ける/大学院難しい種類咲きにくい種類を咲き方に応じた対策年期・芽期・花芽時に着目


第一段階:開花株を買って楽しむ(ミディー・コチョウラン)     第二段階:開花・蕾付き株で花が枯れたら直ぐ二番花が咲いた(ミディー・カトレア)  第三段階:巨大な株を維持したら翌年お土産花が咲く(ミルトニア・スペクタビリス)

芽季
洋ランは種によって花期が違いますが、芽の出る時期もまちまちです。
大きくて元気で花の咲く苗ほど芽が早く出る傾向があります。
反対に遅く出た芽は大きくならず花が咲かないことが多いです。
標準的な「芽季」がいつかを知っておく必要がありますが、信頼できる情報は見当たりません。

カトレヤ
シンビ


セロジネ、フォーミ、


オンシ、グラマト


ミルトニア、ジゴペタ、デンドロキラム、マキシラリア


不定期パフィオ



単茎種を除く

洋ランの続け方、やや難しい種類の育て方(洋ラン大学)

4.16
植替え・鉢増し・株分け・作落ち対策など
有望株を入手して、1年間無事に育てられるとお土産花を楽しむことができます。
しかし、それからは新たな課題が出てきます。
ミズゴケ植えでは入手した時から植替えが必要ですが、バークでも翌年には劣化して植替えが必要になります。
また初めのうちは根腐れ気味になったり、病虫害や、日焼け、雨ざらしなどで、生育が悪くなることが多いです。作落ちしたら回復させなくてはなりません。
反対に順調に生育すると複茎種では株数が増えて鉢が窮屈になり植替えか株分けが必要になります。
このように洋ランを育て続けるには最初とは違ったことをしなければなりません。



易しい種類

薄葉・小型・細茎種 水切れで葉が枯れやすい
落葉すると衰弱する
デンドロビウム、
デンファレ、
フォーミディブル、デンドロビウム下垂種
パフィオペディルム、
セロジネや、
オンシジウム、
ジゴペタラム、
エピデンドラム、ミルトニア
年期の異なる種類・半年型と2年型

芽吹きの悪い種類









さらに数年がかりでしか咲かない種類や、咲出してから毎年咲かせる方法などは「大学院」にあります。
大学院

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2 置き場所別の育て方と咲かせ方

前書き4参照
洋ラン学園では、
1 屋外/室内高温編(本校)の他に、
2 屋外/室内低温編(東京分校・家庭)、
3 周年室内高温編(大阪分校・職場)、
4 周年室内低温編(家庭)
5 周年屋外(家庭・都心と郊外)
で色々な環境に合わせた方法の例を紹介します。また洋ラン大学では植え方はこれまでの方法と同じで屋外/室内法の例を紹介したいと思います。

1 屋外/室内(高温・家庭)本校:省略

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2 周年室内(高温・職場)大阪分校
   
逆さペットボトルミズゴケ植えのデンドロビウム。 ミディーコチョウランの苔玉。 エピデンドラム。 ジゴニシア。


3 屋外/室内(高温・家庭)東京分校
    
ペットボトル植えのミニカトレア 透明軟質ポリポット芯入りのミディーコチョウラン エピデンドラム


4 周年室内(低温・家庭) 
初めての人が、ミディーコチョウランより難しいミニコチョウランを、冬の温度が15℃に足りないところで1年がかりで咲かせました。


5 周年屋外(都心・郊外) 
大学院



3 基本的な世話の仕方(洋ランレシピ)

これまでの方法(趣味の園芸)では、「初めての洋ラン」という本が沢山出ています。また、カトレヤやコチョウランなど、属別に「12カ月」などの栽培書があるのは洋ランだけの特異な現象です。上手に、種類ごとに別の方法で、手間を十分掛けて、育てて立派な花を咲かせる方法は沢山提案されています。その一方で基本的で素朴な疑問への答えは見つかりません。
洋ラン学園では、その反対に、誰でもできて、種類に依らず同じ方法で、簡単で少ない世話で、ほどほどに育てて、咲かせる方法を提案しています。ベストを目指す必要はないのではないでしょうか。これまでの方法でうまくいかなかったら試してみてください。「チェンジ」はこれまでの方法の見直しです。
この方法で足りないところがあれば、他の本やHPを参考にしてください。
目次(リンク)
苗の選び方−大型で、新芽が出ている苗(有望株)が理想的
初めての洋ラン広めのペットボトルへ引越(幼稚園)
洋ランの始め方入手した苗の最初の世話−透明ポット・芯抜き・芯入り・重ね着鉢増し。夏の始め方
基本の植え方 横穴開け
洋ランの水やり
洋ランの水やりは、洋ランの世話の中で一番難しいものと考えられています。しかし洋ラン学園の方法(洋ラン学園式植え方が前提)は、易しくて簡単で手間がかかりません。大半の季節は雨任せで水やり不要
水やり−透明容器で鉢内の乾きを確かめて
洋ランの霧吹き・葉水、洋ラン学園ではやりません。
遮光−引っ越しをベースに人工を加えて、早春は人工日除け、春・夏・秋は木漏れ日、真夏は日陰、冬は屋内、など
洋ランの害虫退治−冬の虫とりと夏の雨ざらしで、農薬ではカイガラムシは無くなりません
洋ランの病気予防−日焼けとカビは万病のもと、日除けと低温期の雨除け
霜除け・日除け・雨除け
洋ランのビニールトンネル(トンネル栽培)による冬越し
洋ランの農薬、洋ラン学園では使いません(コチョウランは例外あり)
洋ランの肥料−年一回だけの緩効性化成肥料の置き肥
洋ランの鉢増しと土増し−植え替えせずに大株作り、植え替えはしないのが正解
洋ランの芽欠き
洋ランカレンダー
洋ランの飾り方
チェンジ
洋ランの植替え
洋ランの植替えというとやり方しか考えられませんが、「植替えは危険」なので「やるかどうか」「いつやるか」の方が大事なのです。植替えより引越、植替えより鉢増し。洋ラン学園式植え方。
植え替え・洋ランの株分けは避けて、鉢増しで大株・群生株作り。洋ランの高芽取り
洋ランの花後の花茎切り、4 コチョウラン(切らない)、6 オンシジウム、7 エピデンドラム(切らない) 8 セロジネ
材質:素焼き鉢・硬質プラスチック鉢は使わず、透明軟質ポリポット浅広底穴鉢で,
鉢大きさ:7.5cm以下の小鉢は使わず、径9-13.5cmで
植え込み材料:ミズゴケは使わず、バーク鹿沼土へ移行、大粒

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入手先




4 グループ別の始め方・育て方・咲かせ方・続け方へのリンク

園芸店で手に入りやすい全てのグループについて、代表種の詳しい記録・データ・写真・世話の仕方
有望株の入手、年期・芽季・バルブ期・花芽時・開花期や、開花株の大きさ
葉芽と花芽、根

グループ別に、代表種について、苗の入手から、始め方、育て方、咲かせ方、続け方の数年にわたる詳しい記録(データと写真)が、以下のリンク先にあります。
年期、芽季、バルブ期、花芽時、開花期や、開花株の大きさ、葉芽と花芽の区別などが一目でわかります。
分類順に並んでいます。

ラン科 Orchidaceae
アツモリソウ亜科 Cypripedioideae(パフィオはアジア)
5パフィオペディルム
セッコク亜科 エピデンドラム亜科Epidendroideae
アレサス連Arethuseae(アジア)
ブレティア亜連 Bletiinae
エビネ*、(Calanthe)
セロジネ連 Coelogyneae(アジア)
9セロジネ
15デンドロキラム
エピデンドラム連 Epidendreae(アメリカ)
レリア亜連 Laeliinae
3カトレヤ、3+ミニカトレア、3カトレヤ原種 (レリア、ブラサボラ、ソフロニティスの一部)
エピデンドラム
ソフロニティス 暑さに弱い山野草のため洋ラン学園の対象外
プレウロタリス亜連 Pleurothallidinae
マスデバリア 暑さに弱い山野草のため洋ラン学園の対象外
デンドロビウム連Dendrobieae(アジア)
デンドロビウム亜連 Dendrobiinae7
デンドロビウム属
2デンドロビウム2+下垂種、、
11デンファレ(11+フォーミテ゛ィフ゛ル)、
12キンギアナム*(12+大明石斛タイミンセッコク*)
石斛(長生蘭)
バンダ亜科
マキシラリア連 Maxillarieae(アメリカ)
ジゴペタルム亜連 Zygopetalinae
8ジゴペタラム
ビフレナリア亜連 Bifrenariinae
Xylobium
リカステ亜連 Lycastinae
リカステ 暑さに弱い山野草のため洋ラン学園の対象外
マキシラリア亜連 Maxillariinae
16マキシラリア
オンシジウム亜連 Oncidiinae
6オンシジウム(+近縁属・属間交配種、6+ミニ)、6+ミルトニア・スペクタビリス、ブラッシア、ゴメザ、ビーララ
オドントグロッサム・ミルトニア 暑さに弱い山野草のため洋ラン学園の対象外
バンダ連 Vandeae(アジア)
サルカンサス亜連 Sarcanthinae または エリデス亜連 Aeridinae
4コチョウラン(4+ミニ)、
10ミニバンダ
13バンダ**、
風蘭(富貴蘭)
(二+名護蘭)、属名のセディレア(Sedirea)はかつて分類されていた旧属名のエリデス(Aerides)の アルファベットのつづりを逆から書いた
シンビジウム連 Cymbidieae(アジア)
キルトポディウム亜連 Cyrtopodiinae
1シンビジウム*、
14グラマトフィラム
春蘭*中国春蘭、
報歳蘭*(五+駿河蘭*)

ラ ン 科 の 亜 科 ・ 連 ・ 亜 連 ・ 属 (デンドロキラム、ナゴランを除く)
    (Subfamily)   (Tribe)  (Subtribe)   (Genus)
http://homepage3.nifty.com/park-town/subfamily-tribe-subtribe.html


洋ラン学園のあらまし 終り



2014年の計画

洋ラン学園では2007年5月に、「消費者のための洋ラン栽培法の研究」を始めました。
これまでの7年間で、「根腐れしない安全な植え方」、「育てて咲かせるための雨任せで水切れしない水やり」、同じく「冬は暖かく冬知らず、夏は保湿と保涼で夏知らず」、病虫害には「霜除け、日除け、雨除けと殺虫剤代わりの雨」などで、
園芸店で手に入る大半の種類を育てて咲かせる方法ができつつあります。
また、典型的な「冬室内高温・その他屋外」ばかりでなく、「周年室内」や「一部の種類・地域の周年屋外」、「冬室内(夜無加温)・その他屋外」の方法も検討しています。
そこで、主に残っているのは、「一部の根腐れしやすい種類の栽培法(バンダカトレヤ原種など)」咲きにくい大型多年型種類の咲かせ方(グラマトフィラム、大明石斛とバンダ・カトレヤ原種など)で、これらは全て「洋ラン大学院の研究テーマ
です。
一般の種類は、枯れて困るようなことはもうないので、「肥料、続け方(株分け・芽欠きなど)、開花率の向上、低温期の屋外栽培の種類と期間を増やす」ことなどです。また、「入手した苗を如何に安全な植え方に変えるか」が重要です(2014.4.15
)



5 今月の洋ラン−半月ごとの様子


洋ラン学園では、育て方は基本的に種類に依らず同じです。
洋ランは種類によって、育ち方や咲き方が異なり、季節によって芽が出たり大きくなったり花芽が出たり咲いたりしますがそれも種類によって異なります。
そこで園芸店で手に入る大部分のグループの代表種について、育ち方や咲き方を示します。
育てている苗の様子と比較できます。
気候や生長の仕方は少なくとも半月で変化していきます。そこで、半月ごとに更新していくようにしています。
過去2-3年分のバックナンバ−がありますが、この表紙では最新のものの代表例のみ示しています。
グループごとのリンク先には数年にわたる経過が載せてあります。
ここでは、高温期は屋外、冬は屋内(最低15か20℃)で育てる場合を紹介しています。
雨ざらしによる病害、低温による冷害、日焼けなどにより、傷ついた苗が多いですが、乱暴な限界条件で育て、障害が起きると翌年に改善しているためです。
一般に見られる根腐れや、根腐れを防ぐための水切れによる生長不良はとても少ないのです。

最新

詳しくは別ページに

8月前半 立秋(りっしゅう8/7)

立秋(りっしゅう)は、二十四節気の第13。七月節(旧暦6月後半から7月前半)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が135度のときで8月7日ごろ。
季節
初めて秋の気配が現れてくる頃とされる。七月節(旧暦7月)。『暦便覧』では「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」と説明している。
夏至と秋分の中間で、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合、この日から立冬の前日までが秋となる。暦の上ではこの日が暑さの頂点となる[1]。翌日からの暑さを「残暑」といい、手紙や文書等の時候の挨拶などで用いられる。また、翌日から暑中見舞いではなく残暑見舞いを出すことになる。
藤原敏行は「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」と詠んだ。
この日に至っても梅雨が明けない場合は「梅雨明け」の発表はされなくなる。それゆえに、東北地方などでは「梅雨明けなし」となることがある。
ウィキペディアから転載
あらまし・前期のまとめと今期の予定と経過
保湿と保涼

置き場所・遮光
引き続き、大半が雨ざらし・物陰・木陰です。植込みや草が茂っているため、南の植込みの下の苗は遮光ネットが不要です。北庭も同じですが、日が南に低くなりましたが北庭には朝夕日が当たるためカトレアに遮光ネットを被せています。
全て地面に鉢ケースを伏せて、その上に鉢を並べた鉢ケースを置いて保湿・保涼を続けています。
水やり
最高気温が30℃以上の真夏日や35℃以上の猛暑日が続く場合は4または3日目までに雨が降らなかったら夕方に水やりします。
7月は雨除け鉢やシンビジウムを除くと結局31日に1回水やりしただけでした。
猛暑日には鹿沼土でも乾いてしまい水やりしても吸水しないことがあります。
引き続き雨上がりに水やりして、湿りの回復や、雨の十分かかっていない鉢への吸水をします。
生長

夏新芽

花芽

開花

7月後半 大暑(たいしょ7/23))

大暑(たいしょ)は、二十四節気の第12。六月中(通常旧暦6月内)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が120度のときで7月23日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。恒気法では冬至から7/12年(約213.06日)後で7月23日ごろ。
期間としての意味もあり、この日から、次の節気の立秋前日までである。
西洋占星術では、大暑を獅子宮(しし座)の始まりとする。
快晴が続き、気温が上がり続けるころ。『暦便覧』には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されている。
夏の土用が大暑の数日前から始まり、大暑の間じゅう続く。小暑と大暑の一か月間が暑中で、暑中見舞いはこの期間内に送る。
大寒と互いに半年後・半年前である。小寒と小暑も同じ関係である。
ウィキペディアから転載
あらまし・前期のまとめと今期の予定と経過
7月前半は梅雨の後半で、今年は雨が多いです。雲ひとつない晴れと言うのは殆どありませんでした。
鹿沼土植えにしてからは、根腐れを心配せずに大半の種類を雨ざらしにしたままです。
水やりも6月初めから7月の前半までは1回もしませんでした(ミズゴケ・ペットボトル植えで雨除けの鉢や軒下で雨の当たらない鉢を除く)
カトレヤ、エピデンドラムが咲き始めました。
多くの種類の春芽がぐんぐん伸び、夏芽が本格的に出てきました。
庭の北の鉢は遮光ネットを取り除いたり、南側で日射に強そうな種類を快晴にはならないだろうと置いておいたため、一瞬で日焼けしたものがあります。

7月後半の各種蘭の様子

太数字のグループは更新済、それ以外は6月以前の古い記録が残っています。

1 シンビジウム 花茎の伸び、生長中、春新芽の出の続き、蕾にナメクジ、カメムシ、家庭用殺虫剤噴霧
2 デンドロビウム 開花中、生長中、春芽出始め、新苗と古株の植替え・株分け・置肥・高芽取り
デンドロビウム下垂種 ロディゲシーに、ピエラルディの高芽を取り室内水栽培
3 カトレヤ、ピュアズデライト、アルマキーにシース
3+ カトレヤ原種 
3s ラビアタ系 マキシマ開花、トリアナエ、ラビアタにシース
3s ワルケリアナ系 新芽が伸び、根元から新根が出たり伸びたりしています
3s ロディゲシー系 夏新芽の伸びと出
3s グアリアンセ 新芽が伸び、グァテマレンシスにシース
3s レリア(ブラジル産) 
3s レリア(メキシコ産) アンセプスの花茎の伸び
3s ブラッサボラ(メキシコ産) 夏新芽のの続き
3s ソフロニティス(洋ラン学園の対象外) コクシネアの夏新芽の出
3 ミニカトレヤ チェリーソングアルバが開花
4ミニコチョウラン 大半を周年室内に、開花中、水栽培に新根
4コチョウラン 大半を周年室内に、花茎伸び
5パフィオペディルム 
6オンシジウム 開花
6a ブラッシア 冬芽の生長が本格化
6a ゴメザ クリスパ 秋・冬芽にバルブができて、花茎の兆し
6a コルマナラ 春芽の伸びが盛んに
6a ビーララ ユーロスター 開花株から夏新芽が出てきました。
6ミニオンシジウム 冬芽伸び、春芽、室内水栽培に新芽
6+ ミルトニア・スペクタビリス(ブラジル耐暑) 冬芽・春芽伸び、小株に春芽植替え・株分け
6a ミルトニジウム 新芽の伸びが速いです。
7 エピデンドラム 高芽の蕾が大きくなる
8 ジゴペタラム  冬芽伸び、植替え・鉢増し
9 セロジネ 冬芽伸び
10ミニバンダ 新根始まり、根冠活発
11デンファレ 
11 フォーミディブル  大きな脇芽は休眠中のように見えます。一部は夏新芽が出ています。小さな新芽は伸びています。
12 キンギアナム 開花中、冬芽伸び、一部鉢増し
12 スペシオ・キンギアナム 開花中、植替え・株分け・置肥
12 大明石斛 古株は春芽伸び、大株は植え替え・株分け後で休眠中
13バンダ 引き続き室内、高温の晴れた日に屋外
14グラマトフィラム 春芽、屋外
15デンドロキラム グルマセウム(冬咲)開花入手株は開花中、フォルモーサム(秋咲)、ウエンゼリ(冬咲)冬芽伸び、
16 マキシラリア ポリフィロステレ(冬咲) 冬芽伸び、シュンケアナ(夏咲)、植替え・鉢増し・株分け
一 石斛 春新芽の始まり
二風蘭 ミニバンダロール、鹿沼土植え 休眠中
二名護蘭 素焼鉢水栽培、伸び伸び
三 春蘭 秩父春蘭) 休眠中置肥
三+ 中国春蘭 休眠中置肥
三+ 春寒蘭(中国) 休眠中置肥
三+ 金稜辺 春芽が伸びています
四 エビネ) 休眠中置肥
五報歳蘭 春芽の伸びが活発になりました
五駿河蘭 春新芽の伸びはまだ遅いですが、昨年よりはスタートが早いです、置肥

マキシマ開花
C. maxima x sib, (alba x semi-alba 'La Pedrena'
春に素焼鉢ミズゴケ植えから洋ラン学園式の浅広底穴鉢鹿沼土に完全に植え替えたばかりの新苗が開花花幅10.3.2cm
新芽丈25バルブ12x1.2x1、葉15x2.7花茎4、花更曲り5cm
 

3 ミニカトレヤ チェリーソングアルバが開花
チェリーソングアルバ(不定期)
草丈(葉先まで)22cm、バルブ12.5x1.4x1.3cm、葉11.5x3.5V,10x3.4V、花茎3.5cm、花更5cm、花2輪、幅9cm。
親は草丈(葉先まで)18cm、バルブ8x1.3cm、葉9x3cmなので、目覚ましい回復です。
夏新芽が親株から出ています。
詳しい記録は表紙に
  

7月前半 小暑(しょうしょ7/7))
小暑(しょうしょ)は、二十四節気の第11。六月節(旧暦5月後半から6月前半)。
梅雨明けが近付き、暑さが本格的になるころ。『暦便覧』には「大暑来れる前なればなり」と記されている。
蝉が鳴き始める。
そのまま夏空になり、梅雨入りの発表が特定できなくなる年もある。それゆえに、四国地方、北陸地方、近畿地方などでは「梅雨入りなし」となることがある。
小暑あるいは大暑から立秋までの間が暑中で、暑中見舞いはこの期間内に送る。小暑の終わりごろに夏の土用に入る
小寒と互いに半年後・半年前である。大寒と大暑も同じ関係である。
あらまし・前期のまとめと今期の予定と経過
6月は早々に梅雨入りし、雨の日が多く雨量も多かったです。水やりは雨除けになっている鉢を除いて1回もしませんでした。
庭の南側は落葉灌木などが茂って木陰となったため、遮光の必要が無くなりました。北側は日が高くなったため遮光ネットをしましたが、曇りや雨が続いたので外しておき期間が長かったです。
7月も前半は冷害・水切れ・日焼け、全ての心配が無く気楽な期間が梅雨明けまで続きます。
温室でなく屋外栽培なら「暑くない雨季・最大の生長期」「夏新芽の出が活発」「花芽が出始める時期」、最も楽しい時期の一つです。
置き場所
庭の南側は落葉灌木などが茂って木陰となったため、遮光の必要が無くなりました。北側は日が高くなったため遮光ネットをしましたが、曇りや雨が続いたので外しておき期間が長かったです。
水やり
6月は早々に梅雨入りし、雨の日が多く雨量も多かったです。水やりは雨除けになっている鉢を除いて1回もしませんでした。
生長
夏型の、コチョウラン、バンダ、グラマトフィラムなどの生長が本格的になります。
色々な種類の新芽が6月後半の梅雨の入りから目立ち、7月前半は親の丈に近づき楽しみな時期です。
一方、伸びが十分でないと今年の花の見通しが怪しくなります。
夏新芽
洋ランの中には、春芽でなく夏芽、しかも6月でなく7月に出る種類があります。
オンシジウム系の属間交配種のビーララ
花芽
オンシジウムの仲間のゴメザの花茎が見えてきました。カトレア系もシースや蕾が出てきます。
7月前半の各種蘭の様子
太数字のグループは更新済、それ以外は6月以前の古い記録が残っています。



今月の洋ラン最新終り



あとがき−「消費者の楽しみ−安全・確実」と「趣味の園芸」との違い

洋ラン学園は「消費者の・消費者による・消費者のための洋ラン栽培法」をめざしています
これまでの洋ランの育て方は基本的に「生産者の苗作りの方法」と「趣味の園芸」でした。
例えば、ミズゴケかバークに植えますが、これは「普通の園芸店では手に入らず」、「定期的に植え替えをしないとほぼ確実に根腐れ」します。
またバンダはバスケット植えと言って根がむき出しになっていますが、「温室での栽培が想定されて」いて、「毎日か朝夕の水やりが必要で」、屋外や室内で普通の世話では育ちにくくなっています。
また「○○12カ月」という本が象徴するように、一年間注意深く世話をし続けてやっと花が咲くかどうかという方法でした。
生産者や趣味家はランを最優先にして、暇と金とエネルギと知恵を注ぎ、早く大きく育てて出荷したり、立派な花を咲かせて展覧会に出します
洋ランを咲かせようとする人の大半は、趣味にしようとは思っていません
そこで、消費者には趣味家向けの方法とは異なる方法易しくできて手間がかからず、安全に育ち、確実に花が咲く方法、ノウハウでなくしかけが必要なのです。
また消費者には、「生産者の良く育ちリスクのある植え方・育て方」から「消費者の安全に育ち確実に咲く方法への移行」の方法も必要です。
ランを買ったり貰ったりして初めて育てる人には、初めての○○という本」ではなく、他の植物とランとの違いと、他の植物と同じやり方では腐ったり枯れたりしやすいランをそうしないための簡単で確かな新しい方法が必要です。
さらにこのHPではこれまでなかった消費者によるデータ、家庭で多くの種類を、おもに園芸店から開花株を購入し、ほぼ同じ簡単な世話で育てた、
開花した苗の大きさや芽が出てから咲くまでのデータ、消費者が育てた実例日記」を載せています。
手元の苗と比較して、どうなったら咲くかを知ることができるようにしています。
大きな脇芽の付いた有望株を入手して根を薄着浅い大きめの鉢植えて、木漏れ日下で、水やりは雨任せにして、冬知らず・夏は雨季にしてやると、これまでとは違って、根ぐされせず、ぐんぐん育ち、どんどん咲くようになります。
育てる・咲かせると言いながら、これまでの方法は実際には、
自生地ではむき出しの根を厚い植え込み材料で窒息させたり、小さな鉢に閉じ込めたり、遮光で日光不足にしたり、根腐れを恐れて水切れさせたり、
洋ランが育ちたい・咲きたいのに邪魔をしている面があるのではないでしょうか。
「安全と省資源と省力が想定外」の「趣味の園芸」は消費者には不向きです。
例えば趣味家は生長の良いミズゴケを選び生産者は歩留まりの良いバークを選びますが、
パフィオにミズゴケを使うと根腐れしやすいのに寒い冬ほど乾きが遅く、乾燥に弱いのにバークは水切れして根が枯れやすいです。
「趣味家は長所で選ぶが消費者は短所を避ける方が賢明」なのです。
花を咲かせるのにこれまでは花季が重視されていますが、花期により世話を変える必要は余りありません。
これまで考えられていなかった、「新芽が出てから咲くまでの期間→年期」、や「花の咲きやすい新芽の出る季節→芽期」の方が目安として重要です。
このHPの育て方・咲かせ方は、「ラン本人の生長力を助けるが干渉しない」方法で、「試合をするのは選手で、監督はそれを外から手伝うだけ」、に通じるところがあり、「園芸は負担より楽しみ」をめざしています。2011.8.16

!趣味家向けではありません!


洋ラン学園(このHP)の略歴とキーワード
2002.12 シンビジウムとカトレヤの苗初めて入手、2006.2 NHK趣味の園芸の本初めて入手
2007.5 研究・共同研究開始、.8HP開始、.9園芸学会発表開始、(主に「育て方」)、鹿沼土使用開始
2008.6 ラン園・クラブでの講習開始(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸)、根腐れしない植え方(主に「始め方」)、透明軟質ポリポット底板中芯入り横穴開け・根を薄着
2009 農薬・液肥・吊り鉢・ミズゴケ植え・遮光ネットなどを順次廃止・縮小、 高山植物をとりやめ、第2回(多摩蘭友会)・第3回講習会(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸)雨ざらしは殺虫剤
2010 .2初めての人に試してもらい始める、.6HP再開・改訂[21世紀の洋ラン育て]、.7 ミニバンダ・ロール開始、.11 「洋ラン学園と合格生ノート」命名 ランは大きくすれば咲く(主に「咲かせ方」→有望株)第4回講習会(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸)?冬は高温冬知らず
2011 育て方:木漏れ日夏は涼しく保湿(夏知らず・夏は雨季)、冬は高温冬知らず・洋ラン天国、東北大震災復興支援第5回講習会(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸)?水やりと殺虫は雨任せ水やり手間激減、洋ランの咲かせ方:細茎薄葉種対策 7月洋ランの咲かせ方:花期より年期・半年型・二年型 8月花期より芽季
2012 洋ラン開花カレンダーと開花事典など(主に「続け方」と始め方、お土産花の咲かせ方)、.6コケ玉開始、分校開校、苗のプレゼント開始、最低気温より霜対策(霜除け・日除け・雨除け) 花芽時第6回講習会(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸)
日本パフィオペディルム研究会が鹿沼土植えを2011年8月から実験し2012年10月例会で根腐れしないことを確認(サロン82回紹介参照)。?広口ペットボトルへ引越
2013 根を育てる、(主に洋ランの続け方と楽しみ方)、洋ラン楽園、浅広底穴鉢・横根・薄着・すき間大粒(洋ラン学園式)植え方、水栽培、懸崖盆蘭(主に「楽しみ方」)、苗のプレゼント結花芽と栄養芽、結花母芽洋ランの咲かせ方:株を太く肥料は芽の出と植替えの後にバルブ期花芽と葉芽の写真集、洋ランの始め方:夏、芽の出遅れ、第7回講習会(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸)、第8回講習会(全日本蘭協会・秋の洋らん展at晴海)、第9回講習会(日本パフィオペディルム研究会at北の丸科学技術館、鹿沼土は最善の植込み材料)バンダの根をポリ袋入れ
2014 第10回講習会、京葉洋ラン同好会にて。洋ランのビニールトンネル栽培雨上がりの水やり続き、新苗の植替えは根をほどく・根を直置き、株や根が交差したら株分け緩効性化成肥料の置肥とリン酸の肥料止め第11回講習会(日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸)

最近の追加項目など(下から順)
赤太字は洋ラン学園オリジナル
2014年の目標、未開花=グラマトフィラムと大明石斛、開花率向上・花芽分化・洋ラン図書館の充実と活用、やや難しい種類、根を育てる、肥料、芽欠き・株分け目安バルブ10本、作落ち対策・芽期の早まり、洋ラン学園への転校法(始め方)、HP体系化
各グループの詳しい内容はリンク先にあります。
世話の仕方レシピの動画
10.16 フォーミディブルも、鹿沼土植え・雨ざらしで、「大きくする」を達成、夏に大きくなりが着く、開花率の向上
10.12 第12回講習会、全日本蘭協会秋の洋ラン展にて(2回目)
9.28 カトレヤ原種、新芽、バルブ、シース、蕾、開花のグラフ追加。セロジネ・クリスタータバルブが丸くなり秋新芽夏の保湿・保涼・水切れ防止
9.14 高温期から低温期への切り替え、置き場所を暖かく、水やりは晴れた暖かい日の午前に・水切れより過湿防止に注意
9.9 パフィオの夏新葉新根の出、根元の厚さ
9.2 咲かせるには同じ種類を2鉢以上、年や鉢により脇芽の育ち方はむらあり
9.1 駿河蘭の代表的な開花パターン「毎年子の春新芽が出て翌年の夏に花茎が出る」
8.28 はしがきに、故郷での生活と普通の植物の世話との違い
8.12 金稜辺の伸び促進
8.10 セロジネ・クリスタータは8月に新芽の伸びが飽和していると花が着きにくい、バルブ期と夏芽
8.8 シンビジウムの作落ちは、草丈よりも、葉の枚数・幅・厚さと、バルブの大きさで顕著、8.9 花つきの良い種類が有望株、大株・中株・小株
8.6 夏の水やりの目安、梅雨明けから(最低気温20℃以上になる)、猛暑日は1日おき、真夏日は2日おき、夏日は3日おきで、それまでに雨が降らなかったら夕方か夜に水やり、期限は最低気温が20℃を下回ることが多くなり始める(真夏日もほぼ終わる)9月半ばまで
8.5 シンビジウムも巨大な有望株がお奨め
8.2 夏の積極水やり雨季で旺盛に生長する時期、夏休み気分でゆとり、毎日か1日おきに、ぐんぐん生長するのが見えるので、水やりが楽しみに
8.1 オンシジウムの育て方と咲かせ方改訂
7.24 カトレヤ原種の、グループ・種別育ち方と咲き方の詳細記録の本格化
7.23 梅雨明けからは、雨季の水やり、3日雨が降らなかったら夕方に全鉢一斉に、雨が降ったら雨上がりに濡れの不足した鉢に水やりして水分を揃えます
7.15 6月初めから1.5月水やりなし(雨除け鉢を除く)
7.10 7月上旬は水やりなし6月から40日間
7.7 屋外栽培では梅雨時の7月が新芽の出と伸びが最も旺盛な育てて楽しい時期
7.1 複茎種の新芽の伸びの記録(今月の洋ラン最新-7月前半)
経過のこれより前は表紙続きの末尾に
6.29 第11回講習会 日本パフィオペディルム研究会at根岸園芸にて


ご協力いただいているラン園・クラブ・趣味家・学校(リンク)
このHPの基になる研究の一部には、下記のラン園、クラブ、学校の方々のご協力をいただいています。厚く感謝いたします。
向山蘭園(シンビジウムなど全般・資材)、根岸園芸(カトレヤ、パフィオなど)、コチョウランの店/鈴鹿フラワー山田蘭園バンダのフローラ・ヤノオーキッド山本デンドロビューム園花工場(大阪)カトレヤ原種西東京発所沢植木鉢センター、(ご協力を開始いただいた順)
大阪テクノ・ホルテイ園芸専門学校日本パフィオペディルム研究会多摩蘭友会(ご協力を開始いただいた順)

また図鑑の写真や交配系統図は色々な方の物を使わせていただいています。転載をお許しいただき、そのつど引用していますが、ここには特に多い下記の方のみ紹介させていただきます。再転載はご遠慮ください。
蘭/開花株の取り扱いGallery蘭爛/蘭花Galleryカトレアの図鑑カトログ/索引交配種系統図 Abiko Orchid Room - Room Genealogyフジ園芸/花つき株リスト石の華/蘭−原種・交配種(ご協力を開始いただいた順)タローさんの洋らん栽培/扱い洋蘭(こちらのみはお返事がいただけないので無断転載となっています、ご容赦ください)

検索ページ
Orchids Wiki, RHS Database

絵  hisami.press
猫のハナ
2010.10.2記、後追加

表紙続き


洋ラン学園 
第一部 教科書とノート
旧版保存
表紙2013年最終版
2013年補足版
2012年補足版
2011年補足版
保留
大学院