洋ラン学園
これまでの方法でうまくいかない人に
21世紀の洋ランの育て方と咲かせ方
2016年版初めに-洋蘭が枯れるのは温度が低くて鉢植えだから−日常の世話では防げません
洋蘭の主な原産地は、(亜)熱帯の密林で、木に着生して根は空中に垂れています。
普通の園芸と比べて、温度は高めに、そして根はむき出しにしておくべきなのです。
洋蘭が枯れやすくて難しいのは、夏以外の温度が低く、根を鉢土に埋めてしまう、という、普通の植物には問題なくても蘭には無理な育て方をしているからです。
冬の防寒をし、浅広鉢に植えて根を薄着にすることで、大半は防げます。
根腐れは15℃前後以上ではほとんど起きません。
根腐れは特に冬に起きやすいので、室温を15℃か最低で10℃以上に保てれば
2007年から、洋ランの栽培法を研究すると共に、これまでの方法でうまくいかない人にできる方法を検討し、このHPで提案してきました。
園芸学会で発表する他、その後趣味家のクラブでも買いでも
2014年からは全日本蘭協会の正月と秋の洋ラン展に置いて講習会をやらせていただいています。
まずはあらましを紹介します。
洋ランの原産地、赤は赤道、桃は回帰線でその間が熱帯、樹上に着生する風蘭
冬(秋から春)に15℃以上あればほぼどの蘭も誰が育てても枯れません。浅広鉢に植えて根を薄着にすればほとんどの欄は根腐れしません。

洋ラン学園の第一目標-開花株を買って来年咲かせる
洋蘭を育てたい人の目標の最大公約数というと、「咲いている蘭を買って来年咲かせたい」ということになるでしょう。
従って洋ラン学園では、誰もが願っているこのことを目標にした育て方を紹介します。
苗と衣食住の四原則
洋蘭を枯らさず咲かせるための要点は4つにまとめることができます。
咲きそうな有望株をtに入れて、枯れ得にくい根を薄着の植え方にして(衣)、夏の成長期には水を切らさずどんどん生長させ(食)、冬は寒さに遭わせないような置き場所にする(住)ことです。
項目 | 自生地 | 洋ラン学園 |
苗 | 大群生株で咲く | 大きくて新しい脇芽の付いている苗(有望株)を入手 |
衣(植え方) | 樹木に着生し根はむき出し | 浅広鉢で根を薄着に |
食(水やり) | 雨季に旺盛に生長 | 夏は雨季・積極水やり |
住(置き場所) | 亜熱帯産・乾季に芽出し | 冬は加温して冬知らず |

左:セロジネ、左はバルブが小さくて咲かない、右はバルブが大きくて咲く。中:ミルトニア・スぺクタビリスの大鉢の開花、右:梅雨から秋の初めまでは雨季なので雨ざらしは
洋ラン学園では、洋ランを育てる方法を分かりやすく伝えたいと思います。そこで苗と衣食住を重点にしています。
1 苗:野菜作りでは苗半作と言われるように、良い苗を手に入れられれば、うまく育って、世話が楽です。
洋ランの場合は、苗が大きくて、来年花の咲く脇芽が既についていて大きいのが有望株です。
大部分の洋ランは毎年新しい脇芽が出て、花は新しい脇芽にしか付きません。
脇芽が無かったり小さい苗は咲きにくく、親が大きくないと脇芽が大きく育たず咲きにくくなります。
衣食住とは、衣:鉢と植込み材料、食:水やりと肥料、住:置き場所を指すようにしています。
洋ランは、他の植物同じに、日光と、水と、肥料を吸収して、温度が高い程活発に生長して、花が咲きます。
人が出来ることは、そのための環境を用意することが一番大事です。
特に一般家庭で温室なしで育てるには、十分な日射と、暖かい場所にランを置くことが最も大事な世話です。
衣は鉢と植込み材料で、本来むき出しの根を以下に快適で枯れないようにするかの決め手で、これまでと最も違う点です。
食の中心は水やりですが、洋ランは枯れる心配のあまり、夏の生長期、原産地は雨季です、の水やりが不足して生長不良で咲かないことが多いです。
2016年版
目次
初めに
-洋蘭が枯れるのは温度が低くて鉢植えだから−日常の世話では防げません
冬の防寒をし、浅広鉢に植えて根を薄着にすることで、大半は防げます。
洋ラン学園の第一目標-開花株を買って来年咲かせる
洋蘭を育てたい人の目標の最大公約数というと、「咲いている蘭を買って来年咲かせたい」ということになるでしょう。
従って洋ラン学園では、誰もが願っているこのことを目標にした育て方を紹介します。
苗と衣食住の四原則
洋蘭を枯らさず咲かせるための要点は4つにまとめることができます。
咲きそうな有望株をtに入れて、枯れ得にくい根を薄着の植え方にして(衣)、夏の成長期には水を切らさずどんどん生長させ(食)、冬は寒さに遭わせないような置き場所にする(住)ことです。
苗と衣食住の四原則
・キーワード
あらまし
はじめに 洋ラン学園の願い、洋ランは熱帯産の樹上生活者、苗と衣食住の四原則、温室・ミズゴケ・バーク・素焼鉢・農薬・液肥不要、種類に依らない、段階的、洋ラン図鑑
第T部 洋ランの始め方(幼稚園・小学校)
目標:冬に開花株を入手して1年後に咲かせる、春まで)、夏の始め方
初めての洋ラン(洋ラン小学校、いただいた鉢を枯らさない)幅広ペットボトルへ引越
洋ランの始め方(経験者、新苗を枯らさない)
第U部 洋ランの育て方と咲かせ方(中学)
目標:春に屋外に出して翌春から冬に咲かせる、洋ランは大きくすれば咲く
洋ラン中学
夏は雨季・生長期・水切れ防止、
非耐寒種は10℃以下で室内取り込み、冬型種は室内10℃以上
日除け・雨除け・霜除け・雪除け、冬の室内の水切れ防止
第三部 洋ランの続け方(洋ラン高校)
目標1:2年目以降も咲かせる、植替えは株分けの時に、浅広底穴鉢・薄植え、鹿沼土単用、3年たったら新苗に更新、株分けより大株作り・植替えを無くす
目標2:単茎種を咲かせる、多年型種、芽ぶきの悪い種類、バンダのポリ袋植え、パフィオペディルムは葉が8枚で咲く、
第四部 省力化限界への挑戦(洋ラン大学)
目標:水やり少なく、冬もできるだけ屋外で
第五部 その他
今月の洋ラン
洋ラン病院
日焼け・雨焼け・霜焼け・雪焼け/日除け・雨除け・霜除け・ビニールトンネル、農薬は使いません・雨は最強の殺虫剤、
洋ラン気象庁
12か月より二十四節気、猛暑日・真夏日・夏日、木枯らし、冬日・霜期間、最高最低温度計、寒波
洋ラン大学院
温室なしのカトレヤ原種栽培、趣味の種類の鹿沼土植え(エリア、デンドロキラム、デンドロビウム、パフィオペディルム、バルボフィラム、マキシラリア、ミルトニア、リパリス他)
個々の詳しい本文はリンク先にあります。
索引
2016年始め方
あらまし
ここでは目次の内容のあらましを全体にわたって述べます。
個々の詳しい本文は目次にリンク先にあります。
はじめに 洋ラン学園の願い、洋ランは熱帯産の樹上生活者、苗と衣食住の四原則、温室・ミズゴケ・バーク・素焼鉢・農薬・液肥不要、種類に依らない、段階的、洋ラン図鑑
第T部 洋ランの始め方(幼稚園・小学校)
目標:冬に開花株を入手して1年後に咲かせる、春まで)、夏の始め方
初めての洋ラン(洋ラン幼稚園、いただいた鉢を枯らさない)幅広ペットボトルへ引越
洋ランの始め方(経験者、洋ラン小学校、新苗を枯らさない)
第U部 洋ランの育て方と咲かせ方(中学)
目標:春に屋外に出して翌春から冬に咲かせる、洋ランは大きくすれば咲く
洋ラン中学
夏は雨季・生長期・水切れ防止、
非耐寒種は10℃以下で室内取り込み、冬型種は室内10℃以上
日除け・雨除け・霜除け・雪除け、冬の室内の水切れ防止
第三部 洋ランの続け方(洋ラン高校)
目標1:2年目以降も咲かせる、植替えは株分けの時に、浅広底穴鉢・薄植え、鹿沼土単用、3年たったら新苗に更新、株分けより大株作り・植替えを無くす
目標2:単茎種を咲かせる、多年型種、芽ぶきの悪い種類、バンダのポリ袋植え、パフィオペディルムは葉が8枚で咲く、
第四部 省力化限界への挑戦(洋ラン大学)
目標:水やり少なく、冬もできるだけ屋外で
今月の洋ラン
洋ラン病院
日焼け・雨焼け・霜焼け・雪焼け/日除け・雨除け・霜除け・ビニールトンネル、農薬は使いません・雨は最強の殺虫剤、
洋ラン気象庁
12か月より二十四節気、猛暑日・真夏日・夏日、木枯らし、冬日・霜期間、最高最低温度計、寒波
洋ラン大学院
温室なしのカトレヤ原種栽培、趣味の種類の鹿沼土植え(エリア、デンドロキラム、デンドロビウム、パフィオペディルム、バルボフィラム、マキシラリア、ミルトニア、リパリス他)
はじめに
はじめに 洋ラン学園の願い、洋ランは熱帯産の樹上生活者、苗と衣食住の四原則、温室・ミズゴケ・バーク・素焼鉢・農薬・液肥不要、種類に依らない、段階的、洋ラン図鑑
洋ラン学園の願い、
きれいな花の洋ランを買っても直ぐに枯れてしまうことが多いです。
洋ランは難しいと考えられていますが、なぜ難しいかは余り知られていません。従って中々うまくいきません。
洋ラン学園の願いは、洋ランを枯らすことを減らし、洋ランを楽しむ人を増やすことです。
洋ランは他の植物と違う:熱帯産の樹上生活者
寒さ対策が大事、鉢植えは根クsれの原因
洋ランがうまく育たない根本的な理由は二つあると言えるでしょう。
一つはおもに熱帯産だと言うことです。
1年の大半は洋ランの原産地より寒く、そのため育ちが悪かったり、寒さのために枯れてしまうのです。
これは一般の園芸植物には無い問題で、消費者には余り知らされていないため、暖かさが保てなくて枯れてしまうのです。
もう一つは、洋ランは普通の植物と違って、大きな木の枝に着生して、根は空中でむき出しだと言うことです。
鉢に植えられ根が埋もれているのは洋ランにとって苦痛で、従って根腐れしやすいのです。
売られている洋ランは鉢植えになっているので、他の植物と同じような世話で良いかと思われています。
このことに気を付ける方法で洋ランは枯れにくく良く育つようになります。
洋ランの原産地、赤は赤道、桃は回帰線でその間が熱帯、樹上に着生する風蘭
苗と衣食住の四原則
洋ラン学園では、洋ランを育てる方法を分かりやすく伝えたいと思います。そこで苗と衣食住を重点にしています。
1 苗:野菜作りでは苗半作と言われるように、良い苗を手に入れられれば、うまく育って、世話が楽です。
洋ランの場合は、苗が大きくて、来年花の咲く脇芽が既についていて大きいのが有望株です。
大部分の洋ランは毎年新しい脇芽が出て、花は新しい脇芽にしか付きません。
脇芽が無かったり小さい苗は咲きにくく、親が大きくないと脇芽が大きく育たず咲きにくくなります。
衣食住とは、衣:鉢と植込み材料、食:水やりと肥料、住:置き場所を指すようにしています。
洋ランは、他の植物同じに、日光と、水と、肥料を吸収して、温度が高い程活発に生長して、花が咲きます。
人が出来ることは、そのための環境を用意することが一番大事です。
特に一般家庭で温室なしで育てるには、十分な日射と、暖かい場所にランを置くことが最も大事な世話です。
衣は鉢と植込み材料で、本来むき出しの根を以下に快適で枯れないようにするかの決め手で、これまでと最も違う点です。
食の中心は水やりですが、洋ランは枯れる心配のあまり、夏の生長期、原産地は雨季です、の水やりが不足して生長不良で咲かないことが多いです。
項目 | 自生地 | 洋ラン学園 |
苗 | 大群生株で咲く | 大きくて新しい脇芽の付いている苗を入手 |
衣(植え方) | 樹木に着生し根はむき出し | 浅広鉢で根を薄着に |
食(水やり) | 雨季に旺盛に生長 | 夏は雨季・積極水やり |
住(置き場所) | 亜熱帯産・乾季に芽出し | 冬は加温して冬知らず |
目標:開花株を買って枯らさず一年後に咲かせる
一般的な目標では、やり方も散漫になります。
「開花株を冬に買って、枯らさず春を迎え、1年間よく成長して咲かせる」のが最も現実的な目標ではないでしょうか。
温室・ミズゴケ・バーク・素焼鉢・農薬・液肥不要
洋ラン学園の特長の一つは、温室を使わず、ミズゴケとバークも植替えの時からは使わず、病気と害虫対策に誘導くな薬を使わないことです。
特別な設備や、材料などが要らないのです。
洋ラン学園では、育てて咲かせるだけでなく、環境に優しく、やり方は易しく、手間がかからない、を目指しています。
使わないもの | 理由 | 代替 |
|
温室 |
一般の洋ランには不要
建築と維持に高額の費用
不要になった時に処分に困る | 冬は室内で冬知らず |
|
ミズゴケ |
家庭で用いると最も根ぐされしやすい
貴重な湿原植物を乱獲
高価・入手困難 |
鹿沼土は入手容易・再使用可・自然に帰る
適湿が続き根腐れしにくい
劣化せず定期植替えほぼ不要
室内苔玉とバンダ・ロールのみ使用 |
|
バーク |
乾くと撥水する、植替え時に水切れする
1年以上たつと膨潤して根腐れの基
高価・入手困難・検疫強化 | 同上 |
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素焼鉢 |
一般の洋ランには不要
ほぼ1年ごとに植え替え必要
再使用が難しく、廃棄物を増やす |
趣味向き
透明ポリポットは根腐れ予防・安価・省資源
スリットプラ鉢は根腐れ予防・省資源・再使用可 |
|
ラン鉢・
ラン用配合培養土 |
細深鉢は乾きが遅く根腐れしやすい
鉢増しするとゴミになる
配合培養土でなくても、適度に育って咲く |
なるべく広くて浅い底穴だらけのプラ鉢
鹿沼土、(一部はバークも可 |
|
農薬 |
効果が少ない、毎月撒く必要
自然破壊、人体に有害 |
カイガラムシは雨とハブラシで駆除
低温期のカビ病は雨除けで予防 |
|
有機肥料 | 蠅が発生する、室内で臭う | 緩効性・粒状化成肥料置肥年1回 |
|
液肥 |
一般の洋ランには不要
手間がかかる、過剰施肥の害、富栄養化 | 春に緩効性化学肥料を置肥か元肥 |
|
遮光ネット |
風で飛んだり管理が面倒
日焼けは防げない |
木陰、物陰
真夏など一時的に使うことがあります。 |
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吊り鉢 | 風で飛んだり管理が面倒・乾きすぎ | 風通しが悪くなければ十分育つ |
|
種類に依らない
これまでの趣味の園芸では、シンビジウム、デンドロビウム、カトレヤ、コチョウランは全て異なる育て方をするとされています。
ただでさえ他の植物と違っているのに、種類ごとに異なる世話と言われても、複雑すぎてできません。
洋ラン学園は、種類の違いよりも、」洋ラン全般の他の植物との違いの方を重視しています。
植え方、水やり、置き場所など、基本的に種類の寄らず同じなので分かりやすく、実行可能です。
特別な種類は、むしろ趣味の人が育てるもので、一般の人には楽しみよりも苦労が多いと考えて敬遠します。
園芸店で手に入る種類(本HPの対象など)洋ラン名簿
赤字・桃字は特に咲きやすい種類です。
太字は大型で強健で、洋ラン学園の4原則に従えば、放任栽培で良く育って咲く方です。
小型の種類は乾燥や寒暖への抵抗力が少ないため、やや繊細な世話が必要です。
これら以外にもたくさんの種類がありますが、園芸店で見かけることはまれであり、上記のどれかの種類と近縁なので、独立してはとりあげません。
洋ラン学園では、一般向きでない種類は挑戦しません、クール・オーキッド
趣味の園芸を楽しもうという人にはできても、一般には難しいのが、高山植物の「
ミルトニア、リカステ、オドントグロッサム、マスデバリア、ソフロニティス」や根をむき出しにしないと腐る「
バンダ」です。
前者はクール・オーキッドと呼ばれ園芸店にも売られていますが、洋ラン学園ではとりあげません。
山野草のグループは、園芸店で売られていても暑さに弱く、一部の種類を除き枯れやすいです。「趣味の園芸」向けの商品です。従って基本的には「趣味でない消費者の園芸」のためのこのHPではとりあげません段段階的
洋ランには易しい種類、難しい種類、温帯産で世話がしやすい種類、高山産で夏の厚さに弱い種類、など色々あります。
そこで洋ラン学園では、初めは易しい種類を中心に育て、慣れてきたらやや難しい種類を手掛けると言う風にしています。
また洋ランは、新しい種類を入手して育て始める時が一番枯れやすいです。
初めて洋ランを貰った人がどうするかも紹介しています。
初めての洋ラン:洋ラン幼稚園
洋ランの始め方:経験者が枯れやすい冬に苗を入手した時の安全な世話の仕方:洋ラン小学校
洋ランの育て方と咲かせ方:洋ランは大きくすれば咲くので咲かせ方は育て方と尾根字です:洋ラン中学
洋ランの続け方:2年目以降の咲かせ方、咲くまでに2年以上かかる種類を含む:洋ラン高校
種類別の留意点:洋ラン大学
限界への挑戦:水やりを極力少なく、できるだけ長い期間を屋外でなど:洋ラン大学院
段階 |
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| 咲き方 | 条件 |
1 | 初めて/小学校 | 開花株 | 花が咲いたら終り |
|
2 | 育てる/中学 | 二番花 | 開花株に脇芽が着いていて、一月から半年以内に咲く | 開花株に花芽や花茎がある |
3 | 咲かせる/高校 | お土産花 | 開花株から脇芽が出て、1年で十分に大きく育ち、一年後に咲く | 大株で体力がある、一年無事 |
4 | 楽しむ/大学 | 自力開花 | 2年目以降の新しい脇芽からも咲き続ける | 作上がり(年ごとに大きくなる) |
4 | 続ける/大学院 | 難しい種類 | 咲きにくい種類を咲き方に応じた対策 | 年期・芽期・花芽時に着目 |
洋ラン病院・洋ラン気象庁・洋ラン図鑑
洋ラン病院
主な病気・害虫対策・農薬を使わない方法
洋ラン気象庁
12か月より24節気、真夏日と猛暑日、冬日と霜期間・寒波
洋ラン図鑑
園芸店で手に入る普及種の図鑑
洋ラン学園では以下の種類を採り上げています。
五大属:1シンビジウム、2デンドロビウム・ノビル系、3カトレヤ・ミニカトレア、4コチョウラン・ミニコチョウラン、5パフィオペディルム
新五属:6オンシジウム系、7エピデンドラム、8ジゴペタラム、9セロジネ、10ミニバンダ
続五属:11デンファレ・フォーミディブル、12キンギアナム・大明石斛、13バンダ、14グラマトフィラム、15デンドロキラム
その他16マキシラリア
東洋蘭:1石斛、2フウラン、3春蘭、4エビネ、5報歳蘭・駿河蘭
2016年版
色々な種類の開花株を冬から春にかけて入手して、1年間の育て方と咲くまでの経過を紹介します。

第T部 洋ランの始め方(幼稚園・小学校)
前書き
洋ランは他の植物と異なる性質があるため、新しく始める時にはそれを知らないために葉うまくいかないのが普通です。
従って、初めてが一番難しいと言えます。これまでの方法では一番枯れやすい段階なのです。
洋ラン学園では、洋ランは初めてとか、経験者が新しい株を手に入れた時のやり方を重視して考えています。
また、一般的なやり方でなく、冬に入手した苗を無事に秋まで室内で育てて、春に外に出し1年後に咲かせるという具体的な目標を設定して、そのための方法を提案します。
目標:冬に開花株を入手して1年後に咲かせる、春まで)、夏の始め方
初めての洋ラン(洋ラン小学校、いただいた鉢を枯らさない)幅広ペットボトルへ引越
洋ランの始め方(経験者、新苗を枯らさない)
目標:冬に開花株を入手して1年後に咲かせる、春まで)、夏の始め方
洋ランを育て始める時期は、開花株が最も多く出回る冬が多いと思われます。しかし冬は主に熱帯が原産の洋ランを温帯である日本で育てるため、一番難しい季節です。
そこで、始め方の目標を、「冬に開花株を入手して、春まで室内で世話をして枯らさず、それから屋外で育てて1年後に花を咲かせる」としています。
又、始め方を2通り考えています。
一つは、これまで洋ランを育てたことが無い(か、試したけれど失敗した)人が、開花株を戴くなどした場合です。いわゆる「初めての洋ラン」で「洋ラン幼稚園」の段階とします。
具体的には、冬に入手してから春に屋外に出すまでの世話です。
もう一つは、洋ラン栽培の経験者が、冬に新しい種類や苗を入手した場合で、洋ランを世話していて最も枯れることの多い場合なので、これまでの方法でうまくいかない人にお勧めする方法です。
初めての洋ラン(洋ラン幼稚園、いただいた鉢を枯らさない)幅広ペットボトルへ引越
又、始め方を2通り考えています。
洋ランの始め方(経験者、新苗を枯らさない)
又、始め方を2通り考えています。
専門学校
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易しい種類 |
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薄葉・小型・細茎種 |
水切れで葉が枯れやすい
落葉すると衰弱する |
デンドロビウム、
デンファレ、
フォーミディブル、デンドロビウム下垂種
パフィオペディルム、
セロジネや、
オンシジウム、
ジゴペタラム、
エピデンドラム、ミルトニア |
年期の異なる種類・半年型と2年型 |
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芽吹きの悪い種類 |
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洋ラン24節気
園芸店で手に入る一般的な種類を、苗の入手から開花までの世話を中心に照会しています。
「趣味の園芸」では「○○12か月」と、月ごとの様子や世話を説明しています。
しかし、気候の変化やそれに合わせた世話の変え方は、それではやや粗いです。
また、梅雨は平均すると6月の半ばに始まり7月半ばに終ると言うように、月の初めでない時にも置きます。
そこで洋ラン学園では、半月を目安にして、気候の変化や世話、特に置き場所の移動をしています。
古来から24節気という言葉があって、大寒とか啓蟄、処暑などは、実際の気候にも有っていて役立ちます。
下記のグループを採り上げています。
グループのリスト、詳しい様子は上の表か、下の下線付きリンク先にあります。特徴2015.916から
1 シンビジウム 直射日光(真夏以外)、乾かさないよう水やり、最低0℃、屋外・零下ではビニールトンネル、芽欠き、開花容易花易
新芽がはっきりし始める
2015年新苗
ウダツナイト・ショパンの調べ鉢#1脇芽#3丈70cmバルブ3.2x2.9cm葉#12、24cm#16、35cm新芽R1.5cm
ホワイトレディーほの香鉢#1脇芽株#3丈53バルブ幅1.8x1.7R新芽2.3x0.9丸
ラブリー・エンジェル・ザ・ツー・ヴァージンズ鉢#2脇芽#2丈84cmバルブ幅4.3x3.2cm葉#10,56x3cm#13、30x2.3cm新芽R2.3x1cm
2009年秋苗 プチムーン 鉢#1 脇芽#L2R2丈41.5cmバルブ幅2.1x1.7L新芽1.8x1cm薄い
2 デンドロビウム 強健・花易、2年型(1年型あり)、秋低温期雨は古葉がカビ病で落葉
デンドロビウム下垂種 ロディゲシ、ピエラルディ
3 カトレヤ
3+ カトレヤ原種、ラビアタ系、
ロディゲシー系、高温性
ワルケリアナ系、グアリアンセ(ボーリンギアナ系)、レリア、メキシコ、ブラジル、ロックレリア、
ブラサボラ、ソフロニティス 高温性、冬も生長、芽季ばらばら
3 ミニカトレヤ
4ミニコチョウラン遮光強く、低温期雨除け、最低気温10℃が安全、ミズゴケ植えは低温期の過湿で根腐れしやすい、花付き良
4コチョウラン 遮光強く、低温期雨除け、最低気温10℃が安全、ミズゴケ植えは低温期の過湿で根腐れしやすい、花付き良
5パフィオペディルム
6オンシジウム やや遮光、生長期水切れ防止、最低5℃、屋外・室内、開花には鉢を複数用意
オンシジウム近縁属、ブラッシア、ゴメザ、コルマナラ、ビーララ
6ミニオンシジウム
6+ ミルトニア・スペクタビリス(ブラジル耐暑)、 1年、やや日除け、夏水多く、最低5℃、花易草丈30cm以上
6+ミルトニジウム 1年、やや日除け、夏水多く、最低5℃、花易
6+ ブラッシア2年型、やや日除け、夏水多く、最低5℃、花中易
6+ ゴメザ・クリスパ 半年型、やや日除け、夏水多く、最低5℃、花中易、不定期
6+ コルマナラ ワイルドキャット 半年型、やや日除け、夏水多く、最低5℃、花中易、不定期
6+ ビーララ、 半年型、やや日除け、夏水多く、最低5℃、夏芽冬咲、バルブ後から
7 エピデンドラム
8 ジゴペタラム:。ジゴパブスティア:。
9 セロジネ 1年型、遮光、水切れ防止、最低5℃、インターメディア花容易、クリスタータ花やや難
10ミニバンダ
10+アングレカム
10+ リンコスティリス
11デンファレ 寒さに弱い、半年型、やや日除け、やや根腐れ、高温期水多く、低温期雨ざらしカビ病、最低気温10℃厳守、花やや易
11 フォーミディブル
12 キンギアナム 強健・花易
12 スペシオ・キンギアナム
12 大明石斛 多年型、少し遮光、高温期水切れ防止、最低5℃、
12+クリソトキサム
13 バンダ 根はむき出しでないと腐るが毎日水やり必要→ポリ袋植え、非耐寒性・冬の室内でも保湿必要
14 グラマトフィラム 多年型、少し遮光、高温期水切れ防止、熱帯性非耐寒性、冷害注意最低10℃厳守、冬まで生長
15 デンドロキラム グルマセウム(冬咲)、フォルモーサム(秋咲)、ウエンゼリ(冬咲)、
16 マキシラリア ポリフィロステレ(冬咲)、シュンケアナ(夏咲)、やや日除け、最低気温5℃、夏水切れ注意、子吹き旺盛、開花やや難
17 キシロビウム
f フラグミペディウム
一 石斛
二風蘭
二名護蘭
洋ラン病院
。
主な障害と病気対策の4段階
障害 |
| 原因 | 症状 | 対策・予防 |
病気 |
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段階 |
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1 | 小学校 | 内因性 | 根腐れ・枯れ(水切れ) | 植え方・水やり・保温・保湿 |
2 | 中学 | 外因性 | 霜焼け・日焼け | 霜除け・日除け |
3 | 高校 | 菌(カビ) | 黒点・芽腐れ・炭疽病など | 雨除け・日除け |
4 | 大学 | 細菌 | 軟腐病(異臭) | 予防 |
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虫害 |
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| カイガラムシ | 親虫除去・雨ざらし |
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作落ち |
| 植替え・過密 | 新芽の生長不良・バルブの細り | 旺盛な生長・株分け |
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洋ラン病院
| 低温期 | 高温期 |
目標 | 根腐れ防止 | 生長促進 |
| 冬知らずなら根腐れの心配なし | 高温期は根腐れ心配ない・水切れ注意 |
方法 |
根をむき出しの植え方
保温
水やりは速乾 |
保涼
保湿 |

2016年版
初めに
洋ラン学園では、2007年に栽培を始めてから、温室を使わない一般家庭で枯らさず咲かせる方法を色々と検討してきました。
その中で
「開花株を買って1年後に咲かせる」というのが、消費者の最も基本的で現実的な願望であるとして、その具体例を示すことにし、最近の全日本蘭協会のラン展での講習会のテーマとしてきました。
ここでは2016年の例を紹介していきます。「洋ランの始め方と育て方と咲かせ方」です。
園芸店で最も開花株が出回る冬から春にかけて色々な種類の鉢を購入して、1年後の開花に向けて、生長と洋ラン学園式の世話の様子を紹介していきます。
それから、丈夫で良く咲く種類は2年目以降をどうするかが課題となります。そこで、これをもう一つのテーマとします。「洋ランの続け方」です。
なお、育て方も咲かせ方も一般の種類よりやや難しい種類については別に紹介します。2016.2.20
開花株を冬から春にかけて入手して1年後に咲かせる方法の例(初めての洋ランを含む)
冬から春にかけて、園芸店で開花株を入手して春暖かくなるまで室内で育て、暖かくなったら屋外に出して、冬近くに屋内に取り込んで花を咲かせるまでの経過の例です。
主に、少し経験があるけれどうまくいかない場合に参考にする方法です。
洋ラン学園では入手してから屋外に出すまでを「洋ランの始め方」と呼び、屋外に出してからは「育て方と咲かせ方」です。洋ランは、「開花株の根元から次の脇芽が出て1年かけて親並みに大きくなって咲く」のが基本です。
洋ラン学園の苗と衣食住の4原則
実際の例を示す前に、洋ラン学園のやり方の要点を述べます。
苗:入手する際に気を付けるのは、「丈夫で新芽が出やすくて花が咲きやすい種類」で「株が大きく、種類によっては新芽が出ていて既に大きくなっている有望株」を入手することがとても大事です。
住:温室を使わない育て方では、置き場所がとても大事です。生長期には原産地より温度の低い時期はなるべく温度を高めます。
食:世話の次の基本は水やりです。枯らすのが心配で水が少ないと生長不良で咲きません。生長期は雨季なのでたっぷり水をやります。
衣:野生のラン葉樹木の枝に着生し根は空中にむき出しです。鉢に植えることは根腐れの原因なのでそうならないように気をつけます。2016.2.20
1 始め方-苗の入手-有望株と置き場所
冬から春にかけて、色々な種類の開花株が店に並びます。
丈夫なグループの、丈夫な大型種の、大株で時期が合えば開花株の根元から大きな脇芽の新芽が出ている株を選びます。
1 シンビジウム
大型で丈夫で、暑さ寒さや強い日射や雨にも強いです。芽ぶきが旺盛で、花が咲きやすい方です。
年の暮れ頃から贈答用の豪華な鉢植えが出回ります。この頃は1月の後半には店から姿を消すことが多いです。
これまでは、開花株が2株あり花茎が2-3本立っている大型の鉢が普通でしたが、近年は1本立ちの鉢が増えています。
大きなものは高さが70cm以上でバルブの高さ10cm幅4cm以上、小さなものは高さが50cm程度でバルブ幅が2cm程度です。高さが高く、バルブが大きく、開花株が2株以上ある鉢が育てやすく咲きやすいです。
シンビジウムは年々新しい品種が売り出され、古典的な有名種は見かけなくなります。
細くて深いラン鉢に植わって、窮屈そうにしている物が多いです。
シンビジウムは最も寒さに強いため、置き場所は室内に入れるよりは、軒下などで、雨霜雪のかからない場所で花が終るまで楽しむことが出来ます。安全のために最低温度が5℃を下回ると予想される夜には土間に取り込んでおきます。
水やりは、他の種類と違って根腐れの心配が少ないので、余り気を使う必要は有りません。1週間位の間隔で、晴れて暖かい日の午前中に根元にやります。
春暖かくなるまでは特に他の世話はありません。
アリシア スノーエンジェル Alicia 'Snow Angel' 河野メリクロン
ほんのりとシェルピンクに染まる花びらには透明感があり清楚な雰囲気です
リップ部分のピンクがキュート
バニラスカイ ’ピュアスマイル’ 河野メリクロン
ピンク色の抱え咲き花。
リップは周縁を濃ピンク色が彩る。
花の横径7.7cm、縦径6.0cm。
花茎の長さ60cm前後に、20-22輪着花する。
2 デンドロビウム
中型で丈夫で、全体的にシンビジウムよりは少し注意をすれば良いです。シンビジウムと違って、来年咲くのは通常はすでに開花株の隣で同じ大きさになっている脇芽です。従って花が咲いていても隣に大きな脇芽のない株は咲かない可能性があります。
種類によって育ち方や咲き方がやや異なります。特に最近は他の洋ランのように新しい脇芽に咲く種類が増えてきました。一方ミニ種も有りますが、大型種よりも抵抗力が小さいのが普通です。
寄せ鉢の場合は大鉢から出して一鉢ずつにします。
3 ミニカトレア
カトレヤは花が最も豪華なランです。小さくても花の形や色は大型種と変りません。元来が熱帯産ですが、ミニカトレアは寒さに比較的強いです。シンビジウムと同様に新しい品種が一斉に大量に売られているようです。
ミニカトレアの中には、冬と夏と半年ごとに芽が出て咲く種類があります。このような種類は冬には冬芽と夏芽に蕾が着くことが多く、冬芽の開花株を買うと追いかけて夏芽が咲いて楽しむことが出来ます。但し、その反面、新芽が育って咲くまでに半年しかないため、咲かなかったり新芽が大きく育たず年々小さくなって行ってしまうこともあります。
ミニカトレアも、大型で、バルブが大きくて葉の大きくて厚い種類が丈夫で咲きやすいです。華奢で葉が細く新芽が沢山です種類は作落ちすることがあります。
置き場所については、ミニカトレアは最低5℃でも大抵の種類は大丈夫ですが、最初の冬は室内で最低10℃を保った方が安心です。
水やりは室内で10℃以上あると鉢が乾きやすいので1週間以内に乾きを確かめて水やりします。
4 ミニコチョウラン
豪華な贈答用の大型コチョウランは、慣れれば扱いやすいのですが、それよりも、中型の方が育てやすく咲きやすいです。特に最も多く売られている白花の原種のアマビリスは丈夫で良く咲きます。
紫紅色の小花で花茎が上に向いたままの「満点紅」は丈夫な近縁属との交配種で丈夫で咲きやすいです。
ごく小型のものがマイクロコチョウランなどと呼ばれて売られていますが、抵抗力が弱く世話に注意が必要です。
なるべく葉が大きくて厚く約5枚以上ある大株が有望です。透明ポットに植えられていることが多いので植込み材料が古びていず、根が元気で枯れたものが無い株を選びます。
置き場所は、ミニコチョウランは大型種ほど寒さに弱くありませんが、最初はやはり最低10℃の保てる部屋が無難です。
室温が10℃以上あれば、根腐れの心配は少ないです。1週間以内に乾きを確かめてやります。
満天紅?
4 コチョウラン
大型のコチョウランは、贈答用にアーチ形に花の並んだ2-3株植えの大鉢が売られています。戴きものが直ぐに枯れることが多く難しいと思われています。
一般に出回る洋ランの中では最も根腐れしやすいからです。
しかし、冬に出回るコチョウランが根腐れするのは、夏に花を付けるために冷房したり、何年も古いミズゴケに植わったままのために根腐れしていることが多いのです。育て始めてからは大鉢に寄せ植えのままで乾きが悪かったり、中が見えなくて乾かない内に水をやったりするのが原因です。寄せ鉢を入手したら、大鉢から取り出して一鉢ごとにすれば根腐れしにくくなります。
日焼けや低温期の雨ざらしによる致命的な炭疽病を除けば、枯れることは少ないです。
葉が大きくて厚くて5枚以上あり、根が元気な株が有望です。
置き場所は、慣れない内は周年室内の方が弱ることが少なく、長期間咲き続ける花を楽しめます。
ホワイト
5 パフィオペディルム
わが国の山野草のアツモリソウやクマガイソウと似た、東南アジア産のランです。
複茎種ですが、新芽が咲くまでに3年前後かかり、バルブは無く株の根元が厚くなるだけなのは単茎種のバンダに似ています。
新芽は大体葉が8枚くらい出て親並みの大きさにならないと咲きません。
売られている開花株に、大きな葉が5枚前後ある脇芽が着いていないと来年の開花は望めません。しかし大型の丈夫な種類で群生株が売られている物以外は脇芽が小さいかない場合が多いです。従ってパフィオペディルムは有望株を入手することがとても大事です。
また、パフィオペディルムは、バルブが無く、葉が傷みやすいため、作落ちせずに何年も育てるのが他の種類より難しいです。
従って、「有望株を入手してなるべく早く、作落ちする前に咲かせる」のが現実的で、咲きそうにない株を何年も育てても思わしい結果が得られないと予想されます。
6 オンシジウム
黄色い小花が群開するオンシジウムはミニカトレア以上に丈夫です。見た芽は余り変わりませんが、アロハイワナガ、ゴワーラムゼイ、スイートシュガーの3種類が一般的で、芽の出方や育ち方や咲き方が少し違います。
新芽は割に出やすいのですが、段々と上に登っていく癖があり根が空中になると生育が悪くなる傾向があります。
最も多いのはアロハイワナガです。ゴワーラムゼイは1年型なのでじっくり育てれば咲きます。スイートシュガーは半年ごとに咲く性質がありますが、生育不良になりやすいです。
なお、赤みを帯びて方向の花が咲くシャーリーベイビーも有ります。
シャーリーベイビー スイートフラグランス
6+ ミニオンシジウム
ミニカトレヤと同じような大きさのミニオンシジウムがあります。バルブが何本もあって花茎が何本も出て満開で売られています。オンシジウムは元々原腫が小型で高山性で暑さに弱い種類が多いです。ミニオンシジウムはその血が濃いのでやや日本の夏の暑さが苦手です。又小さいため鉢を乾かしやすいですが、水不足だと新芽が大きくならず咲かなくなってしまうことに注意する必要があります。
トゥインクル フラグランス
7 エピデンドラム
冬から春にかけて、色とりどりの小花の毬がいくつも並んだ鉢が出回ります。カトレヤの近縁で色々な種類があるのですが、花物として出回るのは一つ交配種の園芸改良種です。
デンドロビウムに似た細茎・薄葉の種類ですが、やや寒さに弱いです。
寄せ鉢の場合はコチョウランと同様に大鉢から出して一鉢ずつにします。
8 ジゴペタラム
しばらく前までは、母の日の贈り物という位置付けで多く見かけましたが、最近は少なくなってしまいました。
出て間もない新芽に花が着き、咲いてから大きくなり、それから新しい脇芽が出ると言う変った育ち方と咲き方をします。
また、薄くて大きい葉は寒さにやや弱く、出たばかりの新芽は雨が溜まって枯れやすいなど、やや育てにくい面があります。
9 セロジネ
冬に、白くてやや大きい花が、鉢の外に飛び出した丸いバルブから咲いた株が出回ります。交配種のインターメディアが大半で、丈夫で新芽が出やすく花も割に咲きやすいです。寒さにも強い方です。
新芽の根は空中で、養分を吸うことが出来ないため、年を経るごとにバルブが小さく咲かなくなることがあります。
バルブが大きい群生大株と、バルブが小さくて数の少ない鉢がありますが、大きい方が有望です。
インターメディア
10 ミニバンダ
主に熱帯アジアが主に原産の大群であるバンダと、わが国に自生する仲間の風蘭との交配種です。コチョウランと同じ単茎種で、脇芽は出さずに新葉を出して上に伸び、下の方の葉の間から花茎を出し、小さな花が咲きます。
バンダはコチョウランより根腐れしやすく、鉢に植えると根腐れするため根をむき出しで育てるのが普通で、他のランと同じ世話では枯れやすいです。その点ミニバンダは風蘭に近い性質なので育てやすくなっています。
しかし風通しが悪いと葉の根元から腐って落葉するなど、一般の洋ランとは異なる注意が必要です。
11 デンファレ
切り花が多く出回りますが、株は一般に寒さに弱いので、注意をしないと一般家庭では意外に枯れゃすく咲きにくいです。
一度咲いた株に再び咲くことがあります。
11 フォーミディブル
デンドロビウムと同じように細めの茎が長く伸びて、先近くに白くてやや大きい花が咲きます。
新芽が出てから咲くまでに2年かかることが多いため(2年型に近い)、やや咲きにくい傾向があります。
但し、一度咲いた株に再度咲くこともあります。
デンドロビウムと同様に小さな鉢に植えられて、3株寄せ鉢にされていることが多いです。
小苗の時のまま植え替えされていないので、根腐れしていることがあります。またデンファレほどではないですが、やや寒さに弱いです。
12 キンギアナム
オーストラリア原産で、寒さに割に強く、家庭で交換により広まって洋ランと知らずに庭で育てられています。
0℃以下にならなければ屋外で、霜のかからない軒下なら-3℃位まで大丈夫なことがあります。
近年交配して改良され花色などが増えています。
丈夫で新芽が出やすく割に良く咲きます。その反面、長年放っておかれることが多く、株数が多くなって鉢一杯になり新芽が小さくなり咲かなくなっていることが多いです。
12 大明石斛
これもキンギアナムと近縁のオーストラリア産ですが、名前のせいもあって洋ランと知らずに育てられていることがあります。
丈が30cm、バルブ太さが3cm位ないと咲かないのですが、長年立つ株は作落ちしているため中々咲きません。
開花株は一般のランに比べやや高価です。
13 バンダ
切り花などは飾りで見かけることが増えてきましたが、根腐れしやすい単茎種のため、一般家庭では育てたり咲かせたりするのが難しい方です。
夏に向けて短期間大きな園芸店で見かけます。
洋ラン学園では「ポリ袋植え」で他のランと大差ない世話で育てられるようになりました。
14 グラマトフィラム
夏に大きな鉢に、黄色で半透明の小輪をアーチ状につけて出回ります。開花期間が長く楽しめます。
しかし寒さに最も弱く、10℃以下では葉が枯れて落葉してしまいます。また脇芽が大きくならないと咲かず「多年型」のようです。
咲かせるためには工夫が必要な種類です。
15 マキシラリア(#16から入れ替え)
冬に小さな鉢で、緑の小さなバルブと細葉の根元から小さな蕾や花で出回ります。
丈夫で、割に寒さに強く、新芽が旺盛に出て、花芽も付くのですが、咲かずに枯れることが良くあります。
主に出回るのは大きめで黄花のポリフィロステレと、小さめで黒花で夏にも咲くシュンケアナの2種類です。
大きいポリフィロステレの方が育てやすく花芽も付きやすいです。これに対してシュンケアナの方は、新芽がどんどん高く登っていく育ち方のため、根が空中で育ちが悪く咲かなくなりやすいです。
またどちらも芽ぶきが良いためどんどん増えて鉢一杯になり栄養の取り合いで小さくなりやすいです。
16 デンドロキラム(#15から入れ替え)
冬に小さな細いバルブ薄くて細い株から、黄色の小さい花の付いた穂のような細い花茎を伸ばして先ます。
春から長い休眠をすることが多く、秋になっても芽が出ないで咲かなくなる傾向があります。又新芽が出ないため知らない内に無くなってしまうこともあります。
バルブが小さく葉が小さいため繊細です。
やや大きいグルマセウムとやや小さいがありますが、グルマセウムの方が作落ちしても咲く可能性があります。
一
三 金稜辺
中国産の春蘭の一種で、ミツバチの集まる花として有名で、養蜂園で良く栽培されているそうです。
小型の苗が大きな園芸店では春や花芽の付いた秋口に売られています。
割に小苗でも咲き、低温にも割に強いです。
五 報歳蘭
その名の通り、中国産のランの原種で、旧正月に咲いて新しい歳を報せます。
大きな普及種の株や、小さな園芸種の株が売られていますが、易しくて咲きやすいのは、大型種の大株です。
幅の広くて大きな葉が数枚です。
2年型のようで、新芽は翌年も少しずつ伸びバルブが太って咲きます。
五 駿河蘭
名前とは裏腹に中国産の報歳蘭と近縁の種類です。報歳蘭と違って、葉は細くバルブが小さいです。
開花株を入手すると最初は芽ぶきが良いため咲きやすいですが、年々小さく藪のようになって咲かなくなりやすいです。鉢を更新して株を大きくすることが大事です。
調子が良いと春から秋まで咲き続けるそうです。
苗の入手、2.20-
ご協力いただいているラン園・クラブ・趣味家・学校(リンク)
2010.10.2記、後追加
1.19 第T部、初めての洋ラン(幼稚園)、洋ランの始め方(小学校)
1.18 はじめに